東日本大震災の医療活動で、患者情報の伝達不足によるトラブルが相次いでいたことが分かった。 病院や避難所を転々とする被災者が続出し、病院や高齢者施設が患者らの転院先や死亡情報を把握できなかったり、病状が引き継がれないまま患者が死亡したりした。事態を重視した厚生労働省では、患者情報の伝達を徹底するよう自治体に通知。大規模災害時の医療情報の取り扱いは今後も大きな課題になりそうだ。 宮城県石巻市の石巻赤十字病院では震災直後、南三陸町の公立志津川病院に脳梗塞などで入院していた千葉茂さん(85)を受け入れた。家族によると、約1週間後に問い合わせたが「該当者はいない」と回答。今月中旬、宮城県警から「搬送から4日後に石巻赤十字病院で亡くなった」と聞かされた。病院関係者は「震災後に安否情報センターを設けたが、混乱で患者の情報を十分に管理できなかった」と話す。 南三陸町の特別養護老人ホーム「慈恵(じけい
結婚式を控え、エステサロンの指示でサプリメント(栄養補助食品)を多量に服用した後、薬剤性肝障害になって式の中止を余儀なくされたとして、福岡市内の30歳代女性とその夫が、福岡県内のエステの代表者を相手に約400万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こしたことがわかった。 15日に開かれた第1回口頭弁論で、エステ側は「症状と栄養補助食品との因果関係は不明」として請求棄却を求めた。 訴状によると、夫婦は2009年7月19日、福岡市内のホテルで結婚式を予定。女性は同年6月からエステに通うようになった。 エステ側は同月24日、女性に錠剤型の栄養補助食品を販売。1日1〜2錠の服用が推奨されたものだったが、「治療のため」と1日9錠飲むよう指示。女性は同年7月13日まで毎日9錠服用したが、肌荒れが出て吐き気を感じ、15日に薬剤性肝障害と診断され緊急入院。式は中止となった。
9日午後11時半ごろ、徳島県鳴門市撫養町立岩元地の「岩朝病院」で、女性の入院患者から「煙が出ている」と119番通報があった。約1時間半後に鎮火したが、いずれも入院患者の男性(78)が全身やけどで意識不明の重体、女性(95)が顔面やけどで重傷、女性(71)が気道熱傷の軽傷を負った。このほか65〜97歳の男性1人と女性10人が煙を吸って気分が悪くなるなどして、ほかの病院に搬送された。 鳴門署は2階病室から出火した可能性があるとみており、市消防本部と合同で10日午前から実況見分を開始。重体となった男性と同室の男性入院患者(65)が「ライターを触っていたら火がついた」などと話しているといい、男性患者から事情を聴いている。 同署によると、出火当時は38人が入院しており、2階に36人、3階に2人がいたほか、男性医師1人と女性看護師2人が当直に当たっていた。 病院関係者などによると、同病院は内科、
文部科学省の「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」(座長=安西祐一郎・慶応義塾学事顧問)は1月28日、2回目の会合を開き、有識者ヒアリングを行った。この中で、長谷川敏彦・日本医科大主任教授は、自身がまとめた医師の需給推計(「日本の医師需給の実証的調査研究」2006年)について、「頭数の推計にすぎなかった」などとする「反省」を表明した。推計は「長谷川データ」と呼ばれ、厚生労働省の資料などに多く用いられてきたが、「現場の実態と異なる」などと批判されていた。 長谷川氏の「3つの反省」は、(1)需要の予測はすべきでなかった(2)頭数の推計にすぎなかった(3)個々の医師のキャリアパスを考慮していなかった―というもの。推計について、「需要の予測は不可能で、どこの国もやっていない」「超高齢社会にどのようなケアが必要で、どのような医師がどのくらい必要かを考えるべきだ」などの指摘を受けたことを説
かつては母子感染がほとんどだった日本のB型肝炎。最近は性行為などで欧米型のB型肝炎ウイルス(HBV)に感染するケースが増えている。欧米型のHBVは慢性化する可能性があり、感染によって肝硬変や肝臓がんとなるリスクもある。現在の日本の肝炎対策では欧米型のHBVの感染予防は難しいだけに、対策の見直しを求める声も上がっている。(平沢裕子) 【地図でみる】インフルエンザ急増、流行突入 A香港型が最多 ◆大都市圏で増加 HBVは感染者の血液や体液を介して感染する。感染時期や感染時の健康状態によって、一過性に発症する急性肝炎と持続感染による慢性肝炎とに分かれる。慢性肝炎は症状がなく自覚しない人が多いが、中には肝硬変、肝臓がんと病気が進む人もいる。 感染原因は、乳児期にはHBVに感染した母親の産道を通ることなどによる母子感染、成人では性行為による感染が多い。 HBVにはAからJまで10の遺伝子型
長崎市の産婦人科医院で昨年12月、男児がカンガルーケア中に呼吸停止し、脳機能障害になった事故で、同医院がケア中の対応に不備があったことを認め、両親との間で示談が成立したことが29日、分かった。男児は9日に1歳の誕生日を迎えたが現在も意識不明のままで、両親は「1つの区切りとはなったが、子供の将来を考えると心配なことばかり」と不安を抱える。 両親や同医院によると、男児は昨年12月9日夜、3156グラムで生まれた。院長の診断では健康で、助産師らはすぐにカンガルーケアを始めたが、男児はケア開始直後から爪が紫色になり、手足を動かさなくなっていった。 しかし、助産師らは「大丈夫」と言うばかりで何の対処もせず、異変を感じた母親(46)の叫び声で助産師が駆けつけたときには呼吸は止まっていた。 男児は市内の病院に救急搬送され、一命は取り留めたが、脳機能障害など重篤な症状が残った。 同医院側は事故後、
東京都東久留米市で昨年2月、体調不良を訴えた統合失調症の男性(当時44歳)が救急搬送されずに腸閉塞(へいそく)で死亡した。救急隊は2時間半にわたり受け入れ先を探したが、13病院に受け入れられず搬送を断念した。「精神科などの専門医がいない」「病床がない」などが病院側の理由だった。高齢化や自殺未遂で精神障害者が身体疾患にかかるケースが増えているが、両方の症状を診られる病院が少ないため搬送が難航している。精神と身体の合併症患者を受け入れる体制の不備が浮かび上がった。 ◇心身合併症 減る受け皿 男性の家族が情報公開請求して開示された東京消防庁の記録や家族の証言によると、男性が死亡するまで次のような経緯をたどった。 昨年2月14日(土)20・00すぎ 男性が母親に「具合が悪いから医者に連れていってくれる?」と訴える。病院は医師などの配置が手薄な休日・夜間体制 21・55 母親が119番通報
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