アジア経済研究所(以下、アジ研とする)図書館では、2020年8月に感染症対策の換気の影響で、一部書庫におけるカビ被害を経験した1。筆者はこの時、環境整備、特に湿度管理が非常に重要であることを痛感し、また、カビが発生してからの対処では多大な時間と費用を要することも身をもって経験した。 他の館での参考になればと、ライブラリアン・コラムに記載したこの話は、ありがたいことに多くの方々が読んでくださり、2022年には全国図書館大会群馬大会でお話しさせていただく機会も得た。筆者はここで「発生してからでは大変なので、予防に力を入れて」と強調した。が、今、「換気の仕方に気を付ける」以上の予防の話をしなかったこと、そして自分自身もそれ以上のことはあまり考えていなかったということを深く反省している。というのも、アジ研図書館では2023年10月に1階参考書架で最初のカビ被害が確認されてから、2023年12月から
