中冨記念くすり博物館は、医薬品と人の関わりの歴史を展示する薬産業の博物館。江戸時代に、この地で興った配置売薬業は、地名から「田代売薬」と呼ばれ、日本四大売薬の一つとして成長。佐賀県経済の一翼を担う製薬業の礎となった。 同博物館はこの地域に配置売薬家の一つとして創業した久光製薬が、1995年に地域の薬産業の歴史や文化の保存と後世への伝承を目的に開館した。2010年には、公益財団法人の中冨記念財団に運営を移行。生涯学習や郷土学習などのニーズに応え、公益的な活動を行っている。21年春には見せ方や情報を新しくしてリニューアルオープンした。 博物館の基本設計は、イタリアの現代彫刻家であるチェッコ・ボナノッテ氏の手によるものだ。石とガラスを基調とした建物。エントランス正面に立つと、立方体で構成されたシンメトリーの美しい外観が周囲の木々の緑と調和して美しい。 展示の目玉の一つは1階展示室。19世紀末の英