「2045」という数字に反応する人は、2年前ならばどれくらいただろうか? しかし、ここ1年ほどで急速にその割合は増えているだろう。 今回テーマとなっている「シンギュラリティ」とは「特異点」のことで、もともとは物理学や数学の用語である。「通常の範囲を逸脱した地点」を意味していて、例えばブラックホールの中心には見かけの体積がゼロなのに質量が無限大となる特異点があるとされる。 しかし近年ブームとなっているのは「技術的特異点」と呼ばれるもので、数学者でSF作家のヴァーナー・ヴィンジや、ロボット工学者のハンス・モラベック、発明家で未来学者のレイ・カーツワイルが広めたとされる。 その世界観の根本原理は、カーツワイルが提唱した「収穫加速の法則」(The Law of Accelerating Returns)に代表されるように「技術は直線的(Linear)ではなく、指数関数的(Exponential)に