【モスクワ=寺口亮一】ロシア宇宙庁は16日、11月の打ち上げで火星への軌道投入に失敗した火星探査機「フォボス・グルント」が来年1月6日から19日の間に地球に落下する可能性があると発表した。 機体の一部が大気圏で燃え尽きず20~30個の破片となって地球に落ちる見込みで、破片の重量の合計は最大200キロ・グラムになるという。微量の放射性物質「コバルト57」を積んでいるが、落下による「放射能汚染の恐れはない」としている。 現段階での落下予想地点は日本を含む「北緯51度4分から南緯51度4分の間」としか分からず、詳細判明は落下の数日前になるという。 探査機は火星の衛星「フォボス」の物質採取を目的に11月9日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。エンジントラブルで地球を回る軌道から脱出できなかった。