◆ ◆ ◆ 就活で上京した神戸在住の女子大生(当時)が、羽田空港のトイレで産み落とした赤ちゃんを殺害し、遺体を新橋のイタリア公園に埋めたとして逮捕されたのは2020年11月。事件発覚から1年後だった。 殺害遺棄前後の女性の行動は不可解で強烈だった。飛行機の中で陣痛に耐え、空港のトイレで産んで窒息死させると、女性は殺害後に袋に入れた赤ちゃんの遺体を持ったまま空港内のカフェでアップルパイと飲み物を注文し、写真をSNSにアップしていた。さらに、殺害動機を「赤ちゃんの存在に困った」「就活の邪魔になると思った」と供述した。加えて女性が裕福な層が通うイメージの大学の出身で、赤ちゃんの父親がアルバイト先である風俗の客だったなどのエピソードは、人々の好奇心と加罰意識を刺激した。 ◆ 性的欲求がわからない 被告は、自身をアセクシュアルだとしている。LGBTQのひとつで、他者に対し性的欲求を抱かないセクシュア