トップ特集【独占手記】 「過失」ではなく「被害」だと自覚するまで――在学中の性暴力、そして毒親との決別 「被害者を救う言語も、加害者を更生させる言語も、教会は持ち合わせていない」 2020年12月25日 教会の「聖職者」による性的虐待の報道が後を絶たない。国内でもようやく被害者による会が発足し、かつて司祭らから被害にあった当事者が重い口を開き始めた。海外では著名人による告発を機に「#MeToo」運動も高まりを見せた。事柄の性質上、表には出にくいものの加害も被害もごく身近に存在する。教会も決して例外ではない。今回、同様の被害を繰り返させないためにと、実名での告発を名乗り出た横井香織さん(31)は、在学中に受けた性暴力について、これまで大学や教会の関係者に打ち明けたことはなかった。自身の体験を「被害」ではなく「自分の過失」だと思っていたからだという。その後も、加害男性から謝罪の言葉は一切ない。