ブックマーク / d.hatena.ne.jp (13)

  • 三好麗美とイカスミパエリア - subculic

    ノイタミナで放送されているTVアニメ『舟を編む』は、新たな国語辞典「大渡海」の刊行を目指す、玄武書房・辞書編集部を追った物語だ。主人公である馬締光也をはじめ、ちょっと変わった登場人物たちが情熱を持って辞書編纂に取り組む様を凝った日常芝居で描写。派手さはないが、丁寧でさっぱりとしたところのある、「辞書」の奥深さを教えてくれる良作に仕上がっている。 原作に比べ、アニメはスリムな構成だ。馬締の暮らす下宿先の大家(タケさん)の孫娘で、同時に想い人である林香具矢の恋愛遍歴をほぼオミットしているし、辞書編集部の先輩・西岡の香具矢に対する感情もアニメでは描かれていない。焦点をより定めた作りになっている。そんな中、同じ玄武書房に勤め、西岡と交際している三好麗美は登場場面の増えた数少ないキャラクターだ。香具矢がストイックでどこか神秘的な雰囲気をまとう女性であるのに対し、麗美は現実的な匂いをふりまく女性。たと

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    megane_89
    megane_89 2016/11/29
  • 素晴らしき哉、アクティヴレイド! - subculic

    今年の夏アニメで視聴して最も楽しかったのは『アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 2nd』だ。近未来、「ウィルウェア」犯罪に対抗するため組織された特殊部隊「機動強襲室第八係」通称「ダイハチ」の活躍を描いた物語であり、作はその第2期。 セカンドシーズンになって面白さが加速した。そう言っていいはずだ。あるいは「作品のお約束が浸透し、楽しみ方の幅が広がった」と書いた方がわかりやすいかもしれない。稲城都知事やバードの陰謀を追うというストーリーの幹は用意されているし、伏線も張ってあるが、基的にどこから観てもいい気楽な(計算された「気楽さ」だ)一話完結のスタイル。 軽妙な作劇が心地良く、サービスも欠かさない。好例は評判の高い第7話「絶対ピーピング宣言」。 3Dプリンターを使って等身大フィギュアを製作する違法業者が小型ドローンで女性陣の眩しい肢体を盗撮……という体でその映像を提供してくれる、変則的

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    megane_89 2016/10/05
  • 折り目正しいラブコメの流儀「この美術部には問題がある!」 - subculic

    殊勲の活躍、と言っていいはずだ。『この美術部には問題がある!』の及川啓監督は全12話中、絵コンテを10(第10話のみ共同)、演出を2、自ら担当した。工程が細分化され、絵コンテ「清書」の役職すら見かける昨今の深夜アニメでこの仕事量は異例だろう。ショートアニメではなく、30分枠のTVシリーズで達成したことにも驚かされる。 その恩恵を最大限授かったのが、主人公とメインヒロインを兼ねる宇佐美みずきだ。作は一にも二にもみずきの乙女な可愛さを描き出すことに心血が注がれている。みずきはとにかく「赤面」する、少女漫画的なキャラクター(腕っぷしは強いが)。照れたり、ときめいたり、リアクションに忙しい。そして片思いの相手であり、同じ美術部の内巻すばるの鈍感さにいつも空回りしてしまう。そんな愛らしい様子に「ラブコメ」を感受する。ラブコメは距離が縮まったように見えても、関係値がいずれスタートに戻るという“流

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    megane_89 2016/09/23
  • 新海誠作品の「食」と野菜 - subculic

    新海誠作品は野菜の切り方がいい。たとえば、『言の葉の庭』のトマトとゴーヤを手際よく切って盛り付けていくシーン。タンタンタン、とリズミカルに切っていくのが新海流。 ここで作っているのは冷やし中華。思春期の“苦み”を描く作家らしく、盛り付けの野菜も苦みで選ぶのか、と当時は穿った見方をしてしまったのだけど、真相は奥さんの作るものを参考にしたようで。「新海さんちの冷やし中華」だったのだ。 ところで、新海アニメの「」はちょっと変わった特徴を持っている。卓に「不在」が並ぶのだ。父親か母親、もしくは両方いない状態で事をすることが多く、一家団欒に不在が何気なく横たわっている(近作はそれが当たり前になってきている気もする)。最新作『君の名は。』でもそうだし、『言の葉の庭』や『星を追う子ども』を振り返っても同じ。卓の風景にも新海の代名詞である「喪失感」が入り込んでいるわけだ。例外はショートフィルム・N

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    megane_89 2016/09/15
  • ロマンチック・ラブの行方――新海誠「君の名は。」 - subculic

    新海誠監督は以前、「ロマンチック・ラブの否定」という言葉を口にしたことがある。ロマンチック・ラブとは、恋愛対象を運命の相手と認識する社会学上の概念。新海アニメは、少なくとも『星を追う子ども』までその否定を出口にしてきた。失恋であったり、物語的な別離であったり、とにかく恋愛が成就して終わることはなかった。ヒロインを救い出した『雲のむこう、約束の場所』にしても、「あの後に待つ展開」はおそらく同じ出口を通っただろう。 風向きが変わったと感じたのは『言の葉の庭』からだ。成熟した作家の余裕があった。冷静で肯定的、それでいて否定的な部分も削ぎ落とさず、一歩引いたところから制作しているような、年輪のある作品。だから自分は新海アニメの中で『言の葉の庭』が一番好きだ。46分という中編の尺も作家に合っていると思ったし、バランスがいい。 そして3年ぶりの新作『君の名は。』が、ついに公開された。 今回は劇場長編ア

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    megane_89 2016/08/30
  • 小さな魔女と縁側の時間――アニメ「ふらいんぐうぃっち」 - subculic

    快い。縁側で足を伸ばし、新鮮な外気に触れながら、横にうずくまるのふんわりとした毛を撫でる。そうこうしているうちに、見慣れぬ「あっち側」の訪問者がプレゼントを携えてやってくる。となりの小さな魔女が目を輝かせ、突然の非日常を感受する。そんな様子が快い。『ふらいんぐうぃっち』はいつまでも眺めていたくなるアニメだった。 既視感はある。あずまきよひこの漫画『よつばと!』、スタジオジブリの劇場長編アニメーション『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『天空の城ラピュタ』ら、「流通量の多い既視感」がいくつかの要素を埋めているのはたしかだろう。しかしそれは作の彩りのひとつにすぎない。魔女見習いの千夏が空想だと思っていた事象や人に会い、半歩だけ非日常に歩み寄る。深入りはしない。すぐ家に戻り、母親に今日体験した不思議な出来事を話すのだ。その体験談がじつは、視聴者にも馴染み深い意匠であるという関係になっている。

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    megane_89 2016/06/28
  • 「秒速5センチメートル」の小骨 - subculic

    散歩の道すがら、近所の公園に新しく桜の木が植えられていることに気づいた。何年かすると、公園の遊歩道がりっぱな桜並木になるのだろうか。密かな楽しみが増えた。 すっかり夏めいた季節になってしまったが、桜を眺めて思い出すアニメは決まって『秒速5センチメートル』(2007)だ。とくに電車の音をバックに花びらがはらはらと舞い落ちる様など、恰好の「秒速風景」。そういう時は心に住みついた作品になってしまったなあ、と感慨に浸ってみたりする(だれにでもあると信じたい)のだけど、考えてみると妙な話。現実の桜の花びらは秒速5センチで落ちてこないのに、『秒速5センチメートル』と思ってしまうのだ。ちょっとへんな現象である。 これが実は、喉の奥に引っ掛かった小骨だった。映画の公開当時は花びらが落ちるスピードなんて気にした事もなく、作中の貴樹よろしく「へえ、そうなんだ」と無邪気に頷いていた。しかし後にそうじゃない、もっ

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    megane_89 2016/05/18
  • 興津由佳にみる「SHIROBAKO」のキャラクター描写 - subculic

    万策尽きず、最終話も無事放映された『SHIROBAKO』。めでたしめでたし。そんな最終話で嬉しかったのは「興津さん」と皆から呼ばれている武蔵野アニメーションの総務・興津由佳が大活躍したことだ。彩り豊かな作の女性陣にあって個人的に一番注目していた興津さん。「残業をしない主義」「昔は制作だったらしい」など設定は散りばめられていたが、クリティカルなパーツを見せないキャラクターで、そこに興味の沸く“隙”があった。まず取り上げたいのは、興津さんのデスク周り。クールビューティな外見と事務的ではっきりとした言動は、シンプルで実用性重視の配置を想像させる。しかしよく観察してみると、ファンシーな小物が目を惹くチャーミングなデスク。「意外と可愛い一面を持つ」ことがデスク周りから伺えるのだ。ハート型のマウスパッドや花柄レースのコースターなど、こだわりの感じられる品がずらっと並ぶ。とりわけ目を惹くデスク右上に鎮

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    megane_89 2015/04/28
  • 謎の独立国家イバラキスタン - Danas je lep dan.

    カントー平原北部に位置する謎の国「イバラキスタン」についての会話が盛り上がっていたので便乗。 カントー連邦ソビエト(仮)議事録 - Togetterイバラキスタン・ソビエト社会主義共和国— ワッキー提督 (@admiral_wakky) 2014, 7月 28ちなみにナザルバエフ大統領(カザフスタン) pic.twitter.com/f4aFHtZ07s— ワッキー提督 (@admiral_wakky) 2014, 7月 28カリモフ大統領(ウズベキスタン) pic.twitter.com/siBBDhLSQ4— ワッキー提督 (@admiral_wakky) 2014, 7月 28ハシモト大統領(イバラキスタン) pic.twitter.com/TZLWEygW3P— ワッキー提督 (@admiral_wakky) 2014, 7月 28ニヤゾフ元大統領(トルクメニスタン) pic.tw

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    megane_89 2014/08/31
  • 怒り新党からジャニヲタの様々な問題について割と真面目に考える - 尻上がり

    この前のマツコ有吉の怒り新党をタイムシフトで見てたら、ジャニヲタ古来から伝わる新規古参戦争問題やファンのマナー問題にも通じるようなことを言及していたので、ちょっと抜粋してみた。 あ、前置きしますと、この話、長い上につまらないです。 ●マナーの悪いサッカーファンが嫌い。私はJリーグも応援しているけど、あいつらはただ騒ぎたいだけのにわかだから腹が立つ、という視聴者からの投稿メール 有吉:あなた達がじゃあ「サッカー見るな」とか「騒ぐな」とか言って、「あぁ、じゃあそうですか。すいません」って不貞腐れちゃったら、どうなる?って話なのよ。 昔にもう、また前に戻っちゃうよ?辛い時期に。 にわかも巻き込んでこそでしょっていう。 この、大きく巻き込んで行く、っていうのがすごい、この競技のいいところだからね。 僕はプロレスファンだから。 冬の時代とかを見てると、やっぱ内側内側で濃くなって濃くなって濃くなって盛

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    megane_89 2013/08/01
  • ラブライブ!を一気に見返して思ったこと - そのままなめて

    ラブライブ!完結記念語りつくし会に参加してきました。 1日かけて1話から13話まで一気に見るって良いことですね。何より一度最終回まで見終えてから頭から見返すってのが良くて、当時はなんでもないイチシーンと思って見ていたことが最後に繋がっていくフラグだったりして新たな発見があるし、何度も何度も繰り返して見ているのに全く飽きないし、真姫ちゃんかわいいし最高でした。前半(8話まで)は皆でツッコミ入れながら見ていたのですが、後半は集中して見ていました。合間合間にみなさんの会話を耳にしながら自分で思っていたことを整理しきれなかったのでちょっとブログに書きながら整理してみようと思います。 書く前に、これらの考察前に他の人の考察ブログ読んでおくんだったなーと後悔。アニメ感想なんて普段書かないのでお作法も分からないし、他で普通に書かれていることだったらドヤ顔で再生産しているだけだし、事前に自己解決できる部分

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    megane_89 2013/04/22
  • 自由と繁栄の弧とは 一般の人気・最新記事を集めました - はてな

    自民党政治家、麻生太郎が外相時代に提唱した国際戦略。 韓国アメリカ、オーストラリア、インド、など自由主義・民主主義・市場経済の国家が連帯を強め、ユーラシアから太平洋につながる協力関係強化を図る。 基的な構想は麻生太郎著で、一冊にまとまっている。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/18/easo_1130.html さて皆さん、日は「価値の外交」という言葉と、「自由と繁栄の弧」という言葉。どちらも新機軸、新造語でありますが、この2つをどうか、覚えてお帰りになってください。 我が国外交の基が、日米同盟の強化、それから中国韓国ロシアなど近隣諸国との関係強化にある。――このことは、いまさら繰り返して申し上げるまでもありません。今回申し上げますのはその先、日外交に、もう一さらに新機軸を加えようということであります。 第一に、民主主義

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    megane_89 2013/01/18
  • 野武士旅団 BLOG

    natukawa1 私こと野武士旅団が運営するブログ「野武士旅団」にようこそ。和歌山・漫画読書・スーパーカブ90ツーリング・焚き火・郷土系文化財にまつわるネタがメインです。

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    megane_89 2012/10/23
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