現役最後のマウンド──2021年10月17日、斎藤佑樹は札幌ドームで行なわれたオリックス戦にリリーフとして登板、1番の福田周平と対峙した。7球を投じた斎藤は福田をフォアボールで歩かせ、交代。バッターひとりだけと決められていた最後のマウンドを終えた。試合後にはセレモニーが行なわれ、挨拶に立った背番号1は「斎藤は『持っている』と言われたこともありました。でも、本当に持っていたら、いい成績を残して、こんなにケガもしなかったはずです。ファンのみなさんを含めて、僕が持っているのは、最高の仲間です。長い間、本当にありがとうございました」と静かに語りかけた。 斎藤が「持っている仲間」。 そのひとりが、高校時代に甲子園で投げ合い、大学卒業後に同じ年のドラフトで指名され、ファイターズのチームメイトとしてともに過ごした榎下陽大だ。 2006年8月19日、夏の甲子園、準決勝。斎藤は鹿児島工を相手に被安打3、無四
![ライバル→チームメイト→スタッフとして。榎下陽大が語る斎藤佑樹「野球の神様が味方についていた」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/db566a7fdcf21d5dd62066956e8806141e292464/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsportiva.shueisha.co.jp%2Fclm%2Fbaseball%2Fnpb%2F2021%2Fimages%2Ff54bc75181da46098f319ca58c16b0d4a1428650.jpg)