光や音で娯楽を演出するパチンコを介護現場で役立てようと、群馬県桐生市の中古パチンコ台販売会社が、福祉向けの台の開発を続けている。 先月末からは市内のデイケア施設など2か所に試験的に設置。関係者は、玉の方向を考えたり、指先の力を調節したりすることが認知症予防につながると期待する。 「あらやだ。大当たりがきちゃったわよ」。桐生市川内町の通所介護施設「モン・クール」に週2回通っている女性(90)が声を弾ませた。 広場の脇に設置された台が赤く点滅し、玉を引き込む中央の「羽」がパタパタと動き出す。「ここからの微妙な力加減が難しいのよ。どこに打てば入るかって考えながら打つから夢中になっちゃう」と、玉の行方を真剣に見つめる。 施設長を務める柿沼博昭さん(47)は「試験的に導入したが、予想以上に楽しんでいる人が多い。考えながら指先を動かすのでリハビリにもなります」と振り返った。 台を設置したのは