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ブックマーク / honz.jp (10)

  • 『政治学者、PTA会長になる』これぞ街場の民主主義!政治学者が世間の現実と向き合った1000日の記録 - HONZ

    「その悩み、○○学ではすでに解決しています」みたいなタイトルのを見かけることがある。あなたが日々の仕事で直面する悩みや課題は、すでに最新の学説や理論で解決済みですよ、というわけだ。 だが当にそうだろうか。最新の学説や理論を応用すれば、世の中の問題はたちどころに解決するものだろうか。 著者は政治学を専門とする大学教授である。「話すも涙、聞くも大笑いの人生の諸々の事情」があって、47歳にして人の親となった。小学校のママ友やパパ友のほとんどは干支一回り以上年下だ。そんなママ友からある日「相談があります」と呼び出され、いきなりこんなお願いをされた。 「来年、PTA会長になってくれませんか?」 まさに青天の霹靂だ。驚いた著者は必死に出来ない理由を並べ立てる。「フルタイム・ワーカー」だから無理!「理屈っぽくて、短気で、いたずらにデカいジジイ」だから無理!ところがママ友は決してあきらめず、最後は情に

    『政治学者、PTA会長になる』これぞ街場の民主主義!政治学者が世間の現実と向き合った1000日の記録 - HONZ
    mellhine
    mellhine 2022/05/24
    経済学者がPTA世界に転生した話かな?
  • 『闇の脳科学「完全な人間」をつくる』 その先駆者の栄光と悲劇、そして「脳操作」の現在と未来 - HONZ

    同性愛の「治療」を受ける男。娼婦を相手に性的興奮を得ることができれば成功だ。男の頭には電極が差し込まれており、後頭部から4のコードが隣の部屋まで延びている。その部屋では、研究者たちが電極から送られてくる計測値を見ながら、男の快楽中枢に適切な電気刺激を与える。 まるでSFだ。しかし、未来の話としてはおかしいと思われないだろうか。現在の状況を考えると、LGBTが治療対象となる未来などやってくるはずがなかろう。未来物語でもなければ架空のストーリーでもない。米国で実際におこなわれた人体実験なのである。 書『闇の脳科学 「完全な人間」をつくる』の冒頭シーンがこれだ。いったいどんな内容のなのか。意識せずとも期待感が広がっていく。まるで脳のどこかに電気刺激が与えられたかのように。 この実験をおこなったのは、精神科医ロバート・ガルブレイス・ヒース。統合失調症病などさまざまな精神疾患に対して、患者

    『闇の脳科学「完全な人間」をつくる』 その先駆者の栄光と悲劇、そして「脳操作」の現在と未来 - HONZ
    mellhine
    mellhine 2020/10/14
    "統合失調症のような精神疾患だけでなく、アルコール依存症や薬物依存症、そして過食症や拒食症、著しい暴力傾向さえも、脳の正しい位置に電極をセットして刺激すれば治療が可能になってきているらしい。"マジか!
  • 言葉の解釈をめぐる、解決困難な諸問題──『自動人形の城: 人工知能の意図理解をめぐる物語』 - HONZ

    書は、同著者による数学的原理に裏打ちされた傑作ファンタジィ『白と黒のとびら: オートマトンと形式言語をめぐる冒険』、その続篇『精霊の箱: チューリングマシンをめぐる冒険』とはまた違った物語──副題にもある通り、命令を何でもこなしてくれるスゴイ人工知能をつくる上で避けては通れない、コミュニケーションにおける人工知能の意図理解についての一冊である。 図や数式は一切なく、ワガママで勉強嫌いな王子と、彼の住まうクリオ城へと危機が迫り、「人間の命令を忠実に実行する」自動人形に囲まれた、王子の孤独な戦いがはじまる──。といったファンタジィとも童話ともいえる物語を純粋に楽しみながら読み進めるうちに、人と機械のコミュニケーション時に不可避的に発生する、「意図の理解」をめぐる難しさ、自然言語で機械に対して命令する際、原理的に出現する諸問題が把握できてしまうという優れものだ。 作の「人形」は、現実世界では

    言葉の解釈をめぐる、解決困難な諸問題──『自動人形の城: 人工知能の意図理解をめぐる物語』 - HONZ
    mellhine
    mellhine 2017/12/18
    読まないと分からないけど、このAIは学習しないのかな?囲碁プログラムだって「勝て」って命令するだけで何局も対戦して強くなるのに(暴論)
  • 二次元世界の住人から、三次元はどう見える?──『フラットランド たくさんの次元のものがたり』 - HONZ

    作者:エドウィン.アボット・アボット 翻訳:竹内 薫 出版社:講談社 発売日:2017-05-12 フラットランド。そこは二次元の世界。立体が存在しない、いわば紙の上の世界だ。 そんな世界にも住人は存在する。まず女性は直線で、兵士や下層階級の労働者は二辺の長さが等しい三角形。中産階級は正三角形と、それぞれ形で身分が決定されている──そんな特殊な世界を描きながら、自身の今いる次元の世界から、一つ上、あるいは下の世界がどのように見えるのかを物語として描き出したのが、書『フラットランド たくさんの次元のものがたり』だ。 原書が出版されたのは1884年のイギリスである。当時は評価されなかったというが、「二次元世界の住人」という架空の視点を導入することで次元の質をついた内容が、アインシュタインの相対性理論発表以後、再評価された。書はその日語新訳版である。百年以上前のじゃん! と思うかもしれ

    二次元世界の住人から、三次元はどう見える?──『フラットランド たくさんの次元のものがたり』 - HONZ
    mellhine
    mellhine 2017/06/22
    超ひも理論だと、10次元とか11次元とか言われているのであながち現実離れしてない設定なのかもしれない。
  • 『ダメな統計学 悲惨なほど完全なる手引書』で科学の基盤をより確かなものにする - HONZ

    世界は数字であふれている。政治家の支持率から健康品が病気のリスクを下げる確率まで、ニュースや広告を介して、新たな数字が次々とわたしたちに届けられる。しかしながら、その数字がどのようにつくられ、どのような意味を持つのかを真に理解することは容易ではない。特に、数字の送り手に悪意がある場合には注意が必要だ。50年以上前に出版された世界的ベストセラーの『統計でウソをつく法』で知られるように、統計を恣意的に用いれば、多くの人を欺くことはそれほど困難ではないのだ。 それでは、きちんとした科学研究室・大学によって裏付けられたデータならば無条件で信用できるのだろうか。そうではない、と統計学の講師でもある著者のアレックス・ラインハートはいう。科学者たちに悪意があり、統計学を歪めて使用しているわけではない。科学者たちもまた、わたしたち一般市民と同様に統計学をきちんと理解していないというのだ。 科学者は、統計

    『ダメな統計学 悲惨なほど完全なる手引書』で科学の基盤をより確かなものにする - HONZ
    mellhine
    mellhine 2017/02/22
    読みたい
  • 『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 創造的能力の副産物としての記憶違い - HONZ

    記憶がえてして頼りないものであることは、いまではよく知られている。その象徴的かつ重大な例としてすぐに思い浮かぶのは、記憶違いにもとづく冤罪事件だろう。国際的な非営利団体の報告によると、2015年にDNA鑑定によって受刑者の無実が証明された事件は325件あった。そしてそのうち、じつに235件もの事件で目撃者の誤認が関わっていたというのである。 記憶違いの問題はけっして他人事ではない。と行った初デートの場所を間違って記憶していたこと、あるいは、他人のやった仕事を自分がやったかのように勘違いしていたこと、そのような経験に誰しも思い当たるふしがあるのではないだろうか。しかしそれならば、わたしたちの記憶はどうしてそのように頼りないのか。また、記憶がときとして大きく歪められてしまうのは、いったいどうしてなのだろうか。 書は、そのような問題にイギリスの若手研究者が迫ったものである。著者のジュリア・シ

    『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 創造的能力の副産物としての記憶違い - HONZ
    mellhine
    mellhine 2017/01/10
    最近の俺の脳はさっぱり記憶してくれないんだが。
  • 『非モテの品格 男にとって弱さとは何か』ルサンチマンを超えた先にあるもの - HONZ

    タイトルを見て思わず手に取った。面白そうだと思ったのではない。憤慨したのだ。 はっきり言って私はモテない。メディアに出れば、ネットの掲示板には「ブス」という心無い言葉が流れる。だから、モテないことには一家言もっている。 だが、このタイトルには全く同調できなかった。 男はたとえ生まれ持った容姿に恵まれなくとも、筋肉をつけ、身なりに気を使い、学歴や財力、権力、そして小粋なトークでもできれば、間違いなくモテるようになれるだろう。これら全ては後天的な努力で手にすることができるものばかりだ。努力が足りないだけなのに「弱さ」とは一体何事かと憤りながらページをめくった私は、後頭部を殴られるような衝撃を受けた。 「ふと、自殺した友人や知人たちの顔を、今でも思い出すことがある。」という書き出しから始まる冒頭には、社会の期待するマッチョな男性像に絡め取られ、声を上げることもできないまま死を選んでしまう男性たち

    『非モテの品格 男にとって弱さとは何か』ルサンチマンを超えた先にあるもの - HONZ
    mellhine
    mellhine 2016/11/07
    すごい読みたくなった
  • 『犯罪の世間学』なぜ日本では略奪も暴動もおきないのか - HONZ

    90年代末以降、刑事司法の厳罰化が進んでいる。80年代からは量刑はざっと見て倍になり、00年の少年法改正を皮切りに法律改正のラッシュが続いた。10年には時効も廃止された。 犯罪が増加したわけでも、凶悪化したわけでもない。むしろ諸外国と比べても日の犯罪率は低い。東日大震災時に被災者が避難所で整然と行動していたことは海外メディアにも絶賛された。 治安の良さとそれにも関わらず起きている厳罰化の流れ。いずれも「世間」に日人が未だにがんじがらめになっているというのが刑法学者の著者の主張だ。 日には社会が存在せず、伝統的に世間が存在したとの指摘は阿部謹也が提唱した世間論で広く知られる。著者は世間を「日人が集団になった時に発生する力学」と定義しながら、「既読スルー」や「空気を読む」を例に世間論を紹介、特徴を解説する。 「世間」には「共通の時間意識」に基づく「人間平等主義」があるため、日人は能

    『犯罪の世間学』なぜ日本では略奪も暴動もおきないのか - HONZ
    mellhine
    mellhine 2016/02/10
    “別に刑法に触れたわけでもないのだが、犯罪でないにもかかわらず無関係な誰かに謝らなければならないからこそ「世間」は権力であり執拗なのだ”
  • 『生物はなぜ誕生したのか 生命の起源と進化の最新科学』 - HONZ

    作者:ピーター・ウォード、ジョゼフ・カーシュヴィンク 翻訳:梶山 あゆみ 出版社:河出書房新社 発売日:2016-01-14 書はピーター・ウォード/ジョゼフ・カーシュヴィンク著、A New History of Life: The Radical New Discoveries about the Origins and Evolution of Life on Earth(Bloomsbury, 2015)の全訳である。 著者の一人ウォードは地球科学および宇宙科学の研究のかたわら、これまで多数の著作を発表し、日でも六作が紹介されている。とくに、酸素濃度の変遷が進化や絶滅の原因となったという説や、生命は自滅的な性質を内包しているという「メデア仮説」、そして地球生命は宇宙で唯一ではないものの非常に稀だという「レアアース仮説」で知られる。書は、ウォードの研究の現時点での集大成というべき

    『生物はなぜ誕生したのか 生命の起源と進化の最新科学』 - HONZ
    mellhine
    mellhine 2016/01/13
    山崎努さんが語り手をやっていた地球大進化をワクワクして見てたが、更にその先を行く新たな仮説が書いてある本。面白そう。
  • 『目の見えない人は世界をどう見ているのか』見えないことから見えるもの - HONZ

    ずばりタイトルの通り、書は視覚障害者が世界をどのように認識しているのかについて迫っていくだ。目が見えない人とその関係者数名に対して行ったインタビュー、ともに行ったワークショップ、日々の何気ないおしゃべりなどを通して、晴眼者である著者が彼らをとりまく「見えない世界」について考えていく。 盲人の生活について書かれたはこれまでにも色々出ている。パッと見それほど珍しいテーマには思えない。しかしまえがきを読むと、書が一風変わった切り口から書かれていることがわかる。 書は、広い意味での身体論を構想しています。ただし、これはあまり前例のない身体論かもしれません。一般に身体論では健常者の標準的な体を扱います。ところが書では、「見えない」という特殊な体について考えようとしているわけですから。 書はいわゆる福祉関係の問題ではなく、あくまで身体論を扱ったであるということだ。「障害者とは、健常者が

    『目の見えない人は世界をどう見ているのか』見えないことから見えるもの - HONZ
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