この記事の3つのポイント EV用電池の需要は増大する一方だ 第1世代EVの寿命が近づき、使用済み電池が大量発生する 素材回収技術の開発が急がれる 電気自動車(EV)用電池の需要は増大する一方だ。電池材料の精製を中国が独占している点が懸念される。第1世代EVの寿命が近づき、大量の使用済み電池が出現すると予想される。素材回収技術の開発が急がれる。2040年には欧州の電池材料の6割がリサイクル素材になり、50年には鉱山採掘は不要になるとの予測がある。 一部の国で電気自動車(EV)販売に陰りが見えるとはいえ、EV用電池の世界需要は2023年に約40%増加。今後もこのペースで増え続けそうだ。そのため、ほとんどのEVで使われるリチウムイオン電池の主要材料であるリチウムの需要は、30年には現在の2倍以上に増え、240万トンを超えると見込まれる。 問題はリチウムの供給源だ。世界のリチウム埋蔵量は、炭酸リチ