今や確立された映画の一ジャンルとして世界的に認知され、世界中にファンがいる「Jホラー」。ブームの火付け役となったのが1998年に公開された『リング』だ。ヒロイン貞子の登場シーンは強烈な印象を残し、社会現象になるほどの大ヒットを記録。この映画がなければ後の数々のJホラー作品は生まれなかったかもしれないといわれている。脚本を手がけた映画監督の高橋洋さん (63)は、幼少期に実家で体験した奇妙なできごとを膨らませて貞子の登場シーンをつくったという。その体験とはどのようなものだったのか、30年にわたり恐怖映画をつくってきた高橋さんが考える「恐怖」とは。 ●『リング』で描いた実家での奇妙な体験 「いま怖いものは何ですか?」。Jホラーの最前線を走る高橋さんに聞いてみると、返ってきた答えは「実家」だった。千葉県の利根川に近く、自然がほどよく感じられる住宅街にあるその家は、両親が結婚した時に中古で購入。高