人は国際展になにを求めるのか──。人といっても主催者、美術関係者、一般市民など立場によって求めるものは異なるだろうし、どこの国の、どんな規模の国際展かによっても違ってくるはずだし、求めるものもひとつとは限らない。ここでは漠然と「国際展はなぜ開かれるのか」という問いでもいい。 その答えとして考えられるのは、(1)現代美術の国際的動向や最新の流れを広く知るため、(2)世界中から集まるアートの祝祭を楽しむため、(3)展覧会のテーマや作品について考え、アートの知見を深めるため……。ほかにも、アートな空気が好きだからとか、友人に誘われてついてきただけとか、ミもフタもない答えもあるだろうが(じつはそれが大半だろうけど)、とりあえずこれくらいにして。 さて、横浜トリエンナーレ(以下ヨコトリ)はこのうちどれに当てはまるだろうか。振り返ってみると、4人のディレクターが「メガ・ウェイブ──新たな総合に向けて」