海外で好きな現代美術の作家は、と聞かれれば、ウィリアム・ケントリッジかクリスチャン・ボルタンスキーか、と答える自分にとって、何を置いても行かなければいけない展覧会がはじまった 東京都庭園美術館、クリスチャン・ボルタンスキーの展覧会『アニミタス_さざめく亡霊たち』 クリスチャン・ボルタンスキーは、場所や人々の記憶を手がかりにした大規模なインスタレーションで知られるフランスの作家であり、日本でなら大地の芸術祭の越後妻有『最後の教室』、あるいは、瀬戸内国際芸術祭の豊島『心臓音のアーカイブ』などで知られる。 2006年の夏。それまでにも、東京都現代美術館所蔵の『死んだスイス人の記録』などで印象深かったクリスチャン・ボルタンスキーの作品『最後の教室』を、まつだいから必死で自転車を漕いでようやくたどり着いた東川の集落の、元小学校で見ることとなる。 廃校の体育館、廊下、校舎の1階から3階まで、全部を使っ