ステージから流れる生バンドの演奏に、まばゆい照明を浴びたドレス姿の女性がダンスフロアを闊歩(かっぽ)する。高度経済成長とともに爆発的に店舗が増え、日本中の繁華街に軒を連ねた大型キャバレー。数々のスターがステージに立ち、夜の街に熱気を吹き込んだ。お手軽なキャバクラ、あっという間に広がったガールズバーが席巻する今、日本の夜を支えてきたキャバレーは昭和の遺産になりつつある。今年2月には札幌の大型店が閉店し、現在は東京と大阪などに残るのみだ。 (宇都宮想) ステージはそのまま「昭和の芸能史」 「昔はすごかったわよ。店に入りきれないくらいのお客さん。一晩で100万円使ってくれる人も珍しくなかったもの」 大阪市中央区の「ミス大阪」。2フロア300坪と国内最大規模で70年以上の歴史を誇る。約200人のホステスの頂点に立つナンバーワンのユウコさん(仮名)はぽつりとつぶやいた。 記者(29)が入店したのは平