分かる。 今は洋式のトイレが増えてウォッシュレットなんかも付いて便利になったとは思うけれど、和式トイレだからこそ生まれた芸術というのは間違いなくあったと思う。 以前、大便器の端から端まで真っ直ぐに伸びる生一本のそれが出たときは、 ウラル山脈を産み出したような気持ちになった。 こっちがアジア、あっちがヨーロッパ、穴のところはカスピ海。 まさに一世一代の芸術作品だった。現にこの作品に匹敵するようなものは未だに産み出せないでいる。 自分だけのものにしておくのは勿体ないと思い、そのまま流さずにトイレから出たのは正しい判断だったと確信している。 次に入った人もきっと気に入ってくれたに違いない。