新潟県佐渡市で放鳥されたトキの巣がトビに襲われ、約6時間抱卵できなかったことが環境省佐渡自然保護官事務所の調査で確認された。 同事務所は「通常3時間以上卵が放置されれば孵化しないので、この卵の孵化は絶望的」とみている。 同事務所によると、この巣は、20日朝にトビに奪われたペア(3歳雄と2歳雌)の巣。トキは奪い返したが、21日に再び襲われ、トビが午前10時40分頃から約30分間抱卵した。その後トビは巣を離れ、トキが戻ってくるまでの5時間40分間、巣は空の状態となった。 22日は、トビがトキの巣を奪おうとする様子は確認されず、雄のトキ1羽が抱卵を続けている。ペアの相手は巣に戻って来ておらず、同事務所の長田啓・首席自然保護官は「抱卵している1羽がしびれを切らして巣を放棄する可能性がある」と話している。