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ブックマーク / takedanet.com (1)

  • 武田邦彦 (中部大学): 凍える手

    幸枝はまだ暗いうちにゴソゴソと布団の中でもがいていた。 もう3ヶ月前になるだろうか、少し無理して押し入れの箱を取り出そうとしたら膝を痛めてしまって、それは少しずつひどくなっていた。 でも、今日から「ゴミの分別の監視」を頼まれている。嫁いでこの家にすむようになってからというもの、幸枝にとってご近所との付き合いは命より大切なものだった。 やっとの思いで掛け布団をのけ、布団をずるようにして立ち上がった。あたりはまだ暗く、冬の寒気が幸枝の肌を刺した。いそいで綿入れに手を通し、手袋をはめる。そうしてノロノロと動き回る間に、幸枝は体の芯まで冷え切ってくるのだった。 ・・・ああ、ほっかカイロを買っておけば良かった・・・ 玄関のドアーを開け外の出た幸枝はゴミの集積所まで足を引きずりながら歩いた。この地域は朝の収集が早いので、住民は6時から6時半にゴミを出す。それをゴミ当番が分別を確認し、ペットボトルのふた

    mhk
    mhk 2009/12/26
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