世界で最初の図書館は、何のためにつくられたのだろうか? 図書館の歴史を遡って探ってみよう。 私は、紙でつくられた「本」が誕生してから、図書館が生まれたのだと思っていた。でも、実際はそうではなかったのだ。 「書く」という行為が始まると同時に図書館は生まれた 史上に残る最古の図書館は、メソポタミア文明のものだ。チグリス川とユーフラテス川に挟まれた「肥沃な三日月地帯」と呼ばれる農業地帯に誕生した。今から5000年前のことだ。 メソポタミア文明の文字は、「くさび形文字」と呼ばれ、粘土でできた板に刻まれて残された。この頃、まだパピルスは無く、もちろん紙なんて発明されていなかった。 初期の粘土板の文書には、商取引や納税の記録、兵士の徴募・供出などの行政上の記録が記された。そこにやがて、叙事詩や神話、科学や歴史、哲学を記した物が加わっていく。 粘土板の厚さは約2センチ。これを日干して乾かしたり、陶器と同
![世界最古の図書館が扱っていたのは「本」ではなかった〔図書館の歴史を探る〕 - 醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c26808aa505be36a6534ac691ca85698ac8d4c01/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fm%2Fmia-nohara%2F20190503%2F20190503152818.jpg)