安保則夫『近代日本の社会的差別形成史の研究』(明石書店、2007) おすすめ。 (1)名著の噂は聞きながら怠慢で手にとっていなかった『ミナト神戸 コレラ・ペスト・スラム』(学芸出版社、1989)の増補版。増補版出版を機にようやく一読したが、どえりゃーおもしろーていかんわ。もっと早く読んでおけばよかった。 (2)そもそも明治期日本で黒死病が流行した!!、というのが、黒死病といえば中世ヨーロッパというパブロフの犬的知識しかないぼくにとっては驚天動地。うーむ、無知ほど怖いものはない。そして、こういった事態に対処するべく公衆衛生政策が導入&展開され、そしてそれが被差別部落に対する攻撃と結びついてゆき……というストーリーは、じつに説得的である。 それにしても、教授会があると本が読めていいなあ。
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