システムの開発を終えたので,ユーザに指定されたサーバにシステム一式を格納し,納品が完了したことを通知しました。しかし,ユーザは「納品とはいえない。」として契約書に定められた検収をしてくれません。契約書には,14日以内に検収しない場合には検収合格になると書かれているため,検収されたものとして報酬を請求したいのですが,可能でしょうか。 ユーザが検収を拒絶する具体的理由にもよりますが,システムが客観的に見て完成していれば,ベンダには報酬請求権が生じます。過去の裁判例には,システムが完成していたかどうかを「予定されていた最後の工程を終えているか」どうかで判断する例があります。 (a)システムの完成とは ベンダの報酬請求権は,ベンダが請負契約の目的物であるシステムを完成させ,完成したシステムをユーザに引き渡したときに発生します(民法633条本文)。 多くの開発委託契約では,納品とともにユーザが検査を