はじめに 近年、世界的に中小企業に関する関心が高まっている。その理由は各国において異なるものの、総じて先進国の場合には、雇用創出、競争力向上、イノベーションなどの上で中小企業が大きな役割を担うと認識されたことがある。また、アジアを含む発展途上国の場合には、雇用創出、産業リンケージの形成、サポーティング産業の育成などが課題となっており、こうした中で中小企業の育成が必要とされているのである。 一方、日本では「バブル経済」崩壊以降、経済停滞が長引き、開業率も低下するなど、経済全体の活力低下が危惧されている。こうした中で、政府は90年代半ばから開業ならびに新規事業活動の支援を本格化してきている状況にある。 そこで本稿では、中小企業が経済をリードしている米国、台湾において、中小企業がどのような役割を担っているのか、また政府が中小企業に対してどのような支援策を講じているのかを検討して、今後のわが国中小
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