CAP定理はデータ共有システムにおいて、三つの特性、Consistency, Availability, (Tolerance to network) Partitionは高々2つしか成り立たないというものです。 クラウドコンピューティングをターゲットにした概念ではなく、データ共有システム全体において3つ同時に満足するのは難しいということ。 定理という名前がついていますが、別に定理などと大それたものではないということ。 あくまでも経験則であって、絶対に3つが同時に成立しないといっているわけではない。PODCと呼ぶ分散アルゴリズムの国際会議(PODCは分散アルゴリズムではかつては有名な国際会議)の招待講演とそのスライドで提唱された概念であって、提唱者本人もCAP定理そのものを論理的に説明しているわけではありません。そのうえSeth GilbertとNancy Lynchの論文を引用して、CA
CAP 定理と BASE の概念を考えたのは UCB の Brewer 先生で、彼は inktomi の偉い人だったというのは前回述べた。 当時のinktomiはYahoo!や Microsoft、それにgooにも検索エンジンを提供していて、1億以上のWebページ(テラバイト級のデータ)を扱っていたようだ。 手元のWEB+DB PRESS Vol.49 のはてなブックマークリニューアル記事によると、現在のはてなブックマークは1160万URLと100GBのHTMLデータ(圧縮済み)を扱っているらしいので、ざっくりいって98年の時点でinktomi は現在のはてブの10倍のデータを扱っていたといってもいい。inktomiで使っていたコンピュータの性能は現在のPCサ ーバに比べれば1/10程度の性能なので、システム全体でみると現在のはてブの100倍の規模になるだろうか。 結果的には、inktom
今週18日からマイクロソフトがラスベガスで「MIX09」を開催します。Windows 7やWindows Azureが発表された昨年秋のPDC(Professional Developers Conference)とは異なり、MIXはWebデザイナーとWebデベロッパー向けのイベントです。 ところで、デザイナーとデベロッパー向けのイベントといえばアドビシステムズのイベントが有名。その名称はたしか「MAX」ですよね......。 さて。MIX09ではWindows Azureの料金体系の発表があるかもしれないといわれています。もし発表されれば、IT系メディアのヘッドラインを飾ることでしょう。 僕が注目しているのは、先日「マイクロソフトがクラウドでリーダーシップを握る可能性が高まる」で書いた、SQL Server完全互換の「SQL Data Services」(SDS)についての具体的な内容の
先週の金曜日に開催された yokohama.pm で、最近のこのブログのメインネタである CAPとBASEとEventually Consistentについてお話してきました。 このネタ、あまり公の場で話すチャンスがないのでこういう機会をいただけてよかったです。 ありがとうございました。 CAPとBASEとEventually ConsistentView more presentations from yohei. 最近なにかと忙しくてあんまり更新できませんが、 まだ続く予定です。 そんじゃーね
時系列で 1990年代後半: Eric Brewer (UCB)が inktomi でいろいろ作る CAPとBASEの基礎ができる http://www.ccs.neu.edu/groups/IEEE/ind-acad/brewer/ 2000年7月19日: Eric Brewer が PODC (Principles of Distributed Computing) の基調講演で CAP 定理?と BASE を発表 CAP は Brewer 予測として知られるようになる この時点で、inktomiと同等スケールのWebサービスの問題に対処していた人はあまりいなかったのかもしれない 2002年 MIT の Seth Gilbert と Nancy Lynch が CAP を形式化 ここで Brewer の CAP が晴れて定理となった この間、よくわからず 2007年-: eBay の
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