サトウの切り餅事件・知財高裁で逆転判決 −何があったのか− 東京地裁では、被告製品「サトウの切り餅」が、原告・越後製菓の特許権を侵害しないとして、被告勝利にしました。しかしながら、9月7日、知財高裁が逆転判決、特許権を侵害するとして、原告勝利となったのです。特許庁の判定も非侵害としたこの事件、知財高裁で何があったのでしょうか。早速判決を読んでみました。 越後製菓の特許は、右の【図1】のように切り餅の横腹にスリットを入れたもので、餅が焼けたとき【図2】のように横から蒸気が逃げ、最中のように焼きあがるという効果をもたらすものです。オーブントースターでも綺麗に焼けるというものでした。 知的財産面での論点 東京地裁で議論になった「構成要件B」を満足するか否かの議論が最初にありました。「切り餅の載置底面または平坦上面ではなくこの小片餅体の上側表面部の立直側周表面に、この立直側面に沿う方向を周方向とし