私は企業向けにマタハラ防止セミナーを行っている。企業側から聞こえてくる声として、妊娠した部下を持つ上司、なかでも男性上司が「マタハラ」と言われるのを恐れ、上手くコミュニケーションが取れなくなっていると聞く。女性部下が流産してしまった場合、男性上司からどのような声掛けをしていいか分からず、何かコミュニケーションを取らなくてはと思いながらも通常通り働かせてしまったというケースを聞いた。そこで、これだけは押さえておきたい4つのポイントをまとめてみた。 ポイント1:マタハラに当たらない業務上の必要性まず知っていただきたいのが、マタハラ防止の指針では、業務上の必要性に基づくものはマタハラには当たらないとされていることだ。例えば、上司が長時間労働している妊婦に対して、「妊婦には長時間労働は負担が大きいだろうから、業務分担の見直しを行い、あなたの残業量を減らそうと思うがどうか」と「配慮」することは、業務