大学新設不認可 文科相の独断が混乱を招いた(11月4日付・読売社説) 理解に苦しむ判断である。 危惧していたことが起きてしまった。 田中文部科学相が、3大学の新設申請を不認可とした。文科相の諮問機関である大学設置・学校法人審議会が「新設を認可する」とした答申を独断で覆した。過去30年で初のケースという。 田中文科相は記者会見で、「大学はたくさん作られてきたが、教育の質自体が低下している」と述べ、現行の大学設置認可制度を見直す考えを明らかにした。 だが、なぜ、この3校の新設を認めないのか、という明確な理由は示さなかった。文科省は「大臣の政策的判断」と説明するが、政治主導をはき違えた、あまりに乱暴な判断と言うほかない。 そもそも、設置審の認可答申は、文科省が定めた大学設置基準などに基づいて、3校の教育体制や財務計画を精査した末に出された結論である。 文科相が最終的な認可権限を持つとはいえ、基準