乳幼児の肺炎の原因となるRSウイルスが猛威をふるっている。患者数が過去の同時期と比べ最多の状態が続いている。専門家は乳幼児だけでなく、高齢者でも集団感染の恐れがあるとして警戒するよう指摘する。厚生労働省も注意を呼びかけている。 国立感染症研究所によると、12月3〜9日の1週間で、全国の指定医療機関から報告された患者は4020人。1歳以下が全体の約7割を占める。小児科を基本にした調査のため、成人での広がりは不明だ。感染者が増えた原因もよくわかっていない。 九州大の池松秀之特任教授は「高齢者の原因不明とされる肺炎の多くは、RSウイルスによる可能性がある」という。池松さんらは2008〜09年のインフルエンザ流行に、発熱やせきなどの症状がある50歳以上の約400人を調査。ウイルスが検出された人の2割がRSウイルスに感染しており、インフルエンザウイルスに次いで多かった。 東京都健康長寿医療セン