フクシマの先 コラムニスト・天野祐吉 クリエイティブディレクター・箭内道彦 福島という言葉は今、県内外で別の響きを放つ。原発事故の被災地という意味を込めて語られる「フクシマ」は、その典型だ。東日本大震災から、きょうで662日。フクシマは今どのような意味を持ちうるのか、3人の識者に話を聞いた。 ●地元には「ふるさと」失う感覚 コラムニスト・天野祐吉 同じ言葉でも表記をカタカナ、ひらがな、漢字で使い分けることにより、別のイメージを表すことができます。これは日本語の特徴で、私も意図的に漢字を使わず、ひらがなやカタカナにするときがあります。 たとえば、ヒロシマと書くと、どこか原爆のイメージが重なる。「原爆の」とわざわざことわらなくても、「ヒロシマ」とだけ書けば、その中に形容詞や形容句を含む。これは伝えるほうにとっては、旧来のイメージを膨らませることが可能です。たぶん、文脈の中でも意味が変