学生服の生産量が日本一の岡山県。だが、少子化で中学・高校生は30年前とくらべて約4割減り、制服市場は細りつつある。ペット用品、看護服、英語教育……。曲がり角を迎えるメーカーが新たな道を探り、異分野に挑戦している。 東京ビッグサイト(東京都江東区)で4月初めに開催された国内最大級のペット用品見本市。約360社が出展した品々がずらりと並ぶ一角に、学生服メーカー「トンボ」(岡山市)のブースがあった。トンボが手がけるのは、足腰が弱った老犬向けの「歩行補助ハーネス(胴輪)」だ。 チェック、デニム、トリコロール……。種類は41。犬種に合わせて複数のサイズをそろえている。身体の大きさに応じて輪の大きさを調節でき、ブースに訪れた愛犬家が次々と試着させていく。「ひざの関節を脱臼してから足腰が弱ってしまったんです。いつまでもちゃんと歩いてほしい」。鈴木直春さん(50)と妻の早智子さん(48)=千葉県習志野市=