国の特別天然記念物ニホンライチョウの人工繁殖に取り組む大町市立大町山岳博物館は8日、2日にふ化したひな4羽のうち1羽が8日早朝に死んだと発表した。環境省の保護増殖事業に2016年から参加して以降、同館でふ化後のひなが死んだのは初めて。 飼育担当の宮野典夫指導員(66)によると、ひなはふ化後7〜10日目に死ぬ例が多いという。原因は衰弱や病原菌などさまざまで、今回死んだひなの詳しい死因は今後、研究機関で調べる。このひなは、ふ化する際に自力で殻を割れなかったため、飼育員が殻を取り除いた。また、体重の伸びが悪く、5日から栄養価の高い虫の幼虫を与えるなどしたが、8日にぐったりして動かなくなった。 これで同館が飼育するひなは、6月21日にふ化した2羽と、2日にふ化した3羽の計5羽になった。宮野指導員は「今後も体重や体調を注意深く観察して飼育していく」と話していた。 (7月8日)