地域ぐるみで有機農業の拡大に取り組むため、三重県尾鷲市は20日、「オーガニックビレッジ」を宣言した。農林水産省が進める「みどりの食料システム戦略」の一環で2022年度以降、全国で50を超す市町村が宣言しているが、県内では初めて。漁業と林業で知られる市が、新たに有機農業を看板に掲げ、地域の活性化をめざす。 「尾鷲市を『漁業と林業と有機農業のまち』にすることを決意し、オーガニックビレッジを宣言します」 有機農業の理解促進のため市内で開かれたイベント「ファーマーズマルシェ」で、加藤千速市長が宣言した。「農地が少ない中で農家の所得向上を達成するには、高付加価値の農産物の生産に力を入れる必要がある」と理由を説明した。 市によると、市の面積の90%以上が山林で、農地は20年時点で67ヘクタール。このうち約25ヘクタールは遊休農地という。農家は高齢化などで減っており、販売までしているのは20戸足らず。特