標高1350メートル、八ケ岳の山麓に敷地がある同館は村野の代表作の一つで、カラマツの木々に覆われるようにたたずむ。ドームが連なった外観は、ブドウの房や山並みのようだ。 館内には彫刻、絵画の展示室と、考古資料の展示室が同居。もともと、地元出身の彫刻家清水多嘉示(1897~1981年)の作品を収蔵する目的で建てられたことから、展示する彫刻の背景にまで目を配り、空間からできるだけ角をなくしたという。ドーム形の天井には白いカーテンが張られ、自然光を上部から取り入れることで、まるでホテルのロビーのような柔らかく落ち着いた雰囲気が広がる。