国の文化審議会は6月24日、静岡県沼津市の「高尾山古墳」を国史跡に指定するよう文部科学相に答申した。市は一時、道路建設を優先して取り壊す方針を決めたが、東日本最古級の大規模前方後方墳という重要性を指摘されて白紙撤回した経緯がある。指定されれば、県内で45カ所目の国史跡になる。 市教育委員会によると、高尾山古墳は3世紀中ごろ、水陸交通の要衝だった現在の同市東熊堂に築かれた。墳丘の長さは62.2メートル、周溝部を含めた全長は69メートル。副葬品には青銅鏡1面、鉄槍(てつそう)2本、鉄鏃(てつぞく)32点、やりがんな1点、勾玉(まがたま)1点がある。 豊富な副葬品に加えて見つかった外来系土器は、他地域との交流が広域に及んでいたことを示す。古墳文化の東日本への広がりや大和政権成立期における政治、社会情勢を知るうえで「重要な史跡」と評価された。 1978年に発見されたが、先立つ61年に都市計画道路の
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