自分の人生を本にして残したい——。そんな思いで書きつづったのが自費出版の個人史。それを集めた図書館が仙台にある。私財を投じて民家をリフォームし、「宮城個人史図書館」をオープンしたのは、せとかつえさん(60歳)。 散逸しがちな個人史は、名も無き庶民が時代の中で生きた証を後世に残す貴重な記録。仕事の資料として集めた個人史を一般公開したせとさんの、この図書館にかける思いと、せとさん自身の個人史を2回にわたって紹介する。 仙台市太白区。八木山丘陵に広がる閑静な住宅街の一角に「宮城個人史図書館」の看板が掲げられている。中古の民家だが、中はどの部屋も天井までの書棚が作り付けになっていて、床はフローリング。きれいで居心地のいい空間に改装してある。館主のせとかつえさんが私費で作り上げた図書館だ。 ここに所蔵されている蔵書は自費出版の多い個人史を中心として、現在、約2000冊。「7000冊までは収納でき