Crossrefは、9月7日、Open Funder Registryを廃止し、ROR（Research Organization Registry）に統合する長期計画を発表した。 Crossrefは、Funder RegistryとRORの機能の比較表を表示。重複が多い両者を統合することで、ワークフローがより効率的になり、全ての関係者にとって混乱が少なくなると説明している。 一方、Crossrefは、本統合による懸念についても言及。過去10年にわたってCrossrefはFunder IDを導入するよう推奨してきたため、同IDを採用している出版社にとって本統合は負担に感じるだろうと述べている。 その対応として、Crossrefは、Funder RegistryからRORへの移行を可能な限り簡単に行えるようにすることや、すでに使用しているFunder IDは引き続き使用できることなどを示して

De Gruyter社は、9月5日、同社のジャーナルについてS2O（Subscribe to Open）モデルを大規模に導入すると発表した。 同社の購読ジャーナルの約85%にあたる270誌を、2028年までにS2Oモデルに転換し、OA（オープンアクセス）化するという。 同社は、S2OモデルはほかのOA出版モデルと比較して出版システムに関わるすべてのステークホルダーにメリットがあるとコメント。メリットとして、著者はOAベースのジャーナルに追加費用なしで論文を掲載できること、図書館は購読によるジャーナルへのアクセスを保証したまま、追加の管理作業やコストをかけることなくOA化できることなどを挙げている。 同社はこれまでに、S2Oモデルを通じて16ジャーナルをOA化している。2022年にS2Oモデルを通じてOA化された同社のジャーナル"Linguistics"は、前年の7倍に利用が増加し、コンテン

LIBER、PALOMERAプロジェクトが実施しているOAブックに関するアンケート調査への参加を呼びかけ LIBERは、8月29日、PALOMERA (Policy Alignment of Open Access Monographs in the European Research Area)プロジェクトが実施しているOA（オープンアクセス）ブックに関するアンケート調査への参加を呼びかけた。 本プロジェクトでは、OAブックの政策立案におけるニーズ、障壁、課題に関する調査を実施。LIBERは同プロジェクトのパートナーとして、図書館関係者および広範な研究コミュニティーに本調査への参加を呼びかけている。 同プロジェクトは、調査結果に基づき、欧州、国、機関レベルでのOAブックの政策立案に向けた実行可能な提言を行う予定だという。 アンケートの回答締め切りは9月15日。 ［ニュースソース］ Con

PeerJは、9月5日、米国のUniversity of Texas at Austin（テキサス大学オースティン校）が機関会員になったと発表した。 これにより、同校に所属する研究者は、PeerJのジャーナルにAPC（論文掲載料）なしで無制限にOA（オープンアクセス）出版可能となる。 PeerJは、長きにわたってパートナーを結んできた同校が機関会員として参加することをうれしく思うとコメントしている。 ［ニュースソース］ PeerJ welcomes the University of Texas at Austin as our latest institutional member － PeerJ 2023/09/05 (accessed 2023-09-11) ［小欄関連記事］ 2023年05月23日　PeerJ、OAのための新たな会員制モデルの開始を発表

Springer Nature社、年次OA報告書"Advancing the transition to open access (OA) Springer Nature's 2022 OA Report"を公開 Springer Nature社は、9月6日、年次OA（オープンアクセス）報告書"Advancing the transition to open access (OA) Springer Nature's 2022 OA Report"を公開した。 本報告書は、同社におけるOAポートフォリオの成長・影響・価値などに関する情報をまとめたもの。年次OA報告書は2回目であり、今回は対象範囲を完全OAだけでなくハイブリッドジャーナルにも拡大している。 本報告書では、同社はこれまでに125万件以上のOA論文を出版してきたこと、2022年の完全OA論文の累積被引用数は約400万件で、過去最

cOAlition Sは、9月4日、"Five years of Plan S: a journey towards full and immediate Open Access"と題する記事を公開した。 これは、発足から5年がたったcOAlition Sのこれまでと今後の活動および、世界のOA（オープンアクセス）の広がりついて述べたもの。 2018年の発足から5年間で、cOAlition Sに参加する助成機関はヨーロッパ、米国、オーストラリア、南アフリカに広がり、28に達したと紹介。2022年8月に発表された米国OSTP（Office of Science and Technology Policy、大統領府科学技術政策局）の覚書をはじめとし、カナダ、インド、ドイツなどで、即時OAを明記した方針が打ち出されたこと、5月のG7科学技術大臣宣言など、各国政府が研究成果のOA化について積極的に

Frontiers社は、8月30日、スペインのJaume I UniversityとOA（オープンアクセス）出版契約を締結したと発表した。 本契約により、同大学の研究者は、同社の全てのジャーナルに論文を掲載できるようになり、出版プロセスも簡素化される。また、論文の掲載には10％の機関会員割引が適用されるという。 同社は、同契約により、同大学のOA出版が促進され、研究者の出版コストを削減するだけでなく、研究コミュニティーや社会全般に利益をもたらすと述べている。 ［ニュースソース］ Jaume I University forms publishing agreement with Frontiers － Frontiers 2023/08/30（accessed 2023-09-06） ［小欄関連記事］ 2023年04月28日　Frontiers社、スロベニアの研究機関Educational

Frontiers社、"authorship-for-sale"を防止するための新たな著者ポリシーを発表 Frontiers社は、9月4日、"authorship-for-sale"※を防止するための新たな著者ポリシーを発表した。 本ポリシーでは、著者の変更は、同社の研究公正部による綿密な審査を経た例外的な場合のみ認められること、著者変更の要請における疑わしいパターンや傾向を特定するため、台帳が管理されることを規定している。 同社はこれまでに、著者変更に関して嫌疑のある38の論文を撤回したという。 ※研究論文の著者資格を売買する非倫理的な行為を表す。 ［ニュースソース］ Frontiers implements new policy to counter 'Authorship-for-sale' － Frontiers 2023/09/04（accessed 2023-09-06） ［小

Brill社は、8月28日、OA Switchboardへの参加を発表した。 同社は、OA Switchboardに参加することで、同社のOA（オープンアクセス）モデル、特にTA（Transformative Agreement、転換契約または移行契約）の拡大をサポートし、顧客にリアルタイムの出版情報を提供できることをうれしく思うとコメントしている。 ［ニュースソース］ Brill expands Open Access activities: joins OA Switchboard － Brill 2023/08/28（accessed 2023-09-05） ［小欄関連記事］ 2022年10月27日　Brill社、OA図書およびチャプターの出版に関わる契約をMPGと締結

DataCiteは、8月24日、PKP（Public Knowledge Project）がDataCiteの登録サービスプロバイダーとなったことを発表した。 これにより、PKPのソフトウエアOJS（Open Journal Systems）がDataCiteのインターフェースMDS（Metadata Store）と統合され、DataCiteの会員およびコンソーシアム組織は、DataCiteの認証情報を使用してDOIを登録することができる。 本Webページでは、OJSを通じたDOIの設定・登録・管理方法、メタデータのエクスポートの方法などについても示している。 ［ニュースソース］ PKP is now a DataCite Registered Service Provider － DataCite 2023/08/24（accessed 2023-09-05） ［小欄関連記事］ 2023

DOAJは、8月25日、米国のBLC（Boston Library Consortium）※とパートナーシップを締結したと発表した。 本パートナーシップにより、BLCは、世界中の査読付きOA（オープンアクセス）ジャーナル約2万誌のキュレーションと索引付けを行うDOAJの活動を支援することになる。 すでにDOAJを支援している5つのBLC加盟館に加え、新たに7つのBLC加盟館がDOAJの支援を表明したという。 ※知識・インフラ・リソースの大規模な共有を目的とした、米国北東部の図書館コンソーシアム。 ［ニュースソース］ Boston Library Consortium joins the movement to support DOAJ－ DOAJ 2023/08/25（accessed 2023-09-05） ［小欄関連記事］ 2023年08月16日　DOAJ、米国中西部の図書館組織MCL

EIFLは、8月28日、Éclat Engineering社※との契約を延長すると発表した。契約は2026年12月まで。 本契約により、アルバニア、アルメニアなど36カ国は、同社の製品"RemoteXs" "MyLOFT（My Library on Fingertips）"を割引価格で利用できる。 RemoteXsは、図書館が購読している電子リソースにアクセスするためのポータルを一元化し、館外からのリモートアクセス認証を可能にするクラウドサービス。タブレットやスマートフォンなど、さまざまなデバイスで利用することができる。 MyLOFTは、プロキシを内蔵したモバイルアプリプラットフォームで、図書館が購読している電子リソースへの安全でシームレスなアクセスを促進する。 ※図書館にコンテンツへのアクセス・ストレージ・配信サービスを提供するインドのソフトウエアカンパニー。 ［ニュースソース］ EIF

Clarivate Analytics社、"The annual G20 scorecard - Research performance 2023"を公開 Clarivate Analytics社は、8月30日、"The annual G20 scorecard - Research performance 2023"を公開した。 本レポートは、研究のアウトプット、論文引用、共同研究、OA（オープンアクセス）状況などの指標を用いて、G20（Group of Twenty）各国の研究パフォーマンスを評価したもの。 日本は、女性研究者の割合が5分の1以下であり、研究生産性もG20の中で最低水準にとどまっていることを示している。 そのほか、中国本土は他のG20加盟国の3倍の特許を取得したこと、米国はCNCI（Category Normalized Citation Impact）とCollab

ResearchGateは、8月22日、APA（American Psychological Association、米国心理学会）とパートナーシップを締結したと発表した。 これにより、年5,000件以上の同会の新規論文や、30万件以上のバックファイルコンテンツがResearchGateに追加される。 ResearchGateのプロファイルに自身のコンテンツが自動的に追加されるので、同会の著者は、研究の影響力を示す統計情報に簡単にアクセスできるようになるという。 ［ニュースソース］ American Psychological Association partners with ResearchGate to provide access to journal articles - partnership will enhance the visibility of APA-publish

LSE（London School of Economics and Political Science）は、8月22日、"A decade of surveys on attitudes to data sharing highlights three factors for achieving open science"と題する記事を公開した。 本記事は、DataONEのチームが実施した、データ共有に関する調査結果や、調査から明らかになった、オープンデータやオープンサイエンスに対する考え方の変化やオープンサイエンスの実践を決定する要因などについて述べたもの。 10年以上行われた本調査は、環境科学活動に携わる科学者・管理者・公務員を対象に、データ共有への意欲とデータ共有リソース（スキル、ツール、トレーニングなど）についての意見を世界規模で調査したもの。 その結果、データ共有への意欲が高い

OASPA（Open Access Scholarly Publishers Association、オープンアクセス学術出版社協会）は、8月17日、NASA（National Aeronautics and Space Administration、米国航空宇宙局）が発表したパブリックアクセス計画"NASA's Public Access Plan, Increasing Access to the Results of Scientific Research"に関するRFI（Request For Information、意見招請）への回答を公表した。 同会は、OA（オープンアクセス）を実現するあらゆるルート・形態・出版モデルをサポートしてきたことや、ルートやモデルに関係なく、OAにおける公平性・包摂性の保証に特に焦点を当てて取り組んでいることを紹介。 同会は、特定のモデルを推進しない

NDL（National Diet Library、国立国会図書館）は、8月24日、「小規模OA出版社の持続のためのガバナンス：COPIMの取組から」と題する記事を公開した。 本記事では、コミュニティー主導でOA（オープンアクセス）書籍出版を支援する国際的なパートナーシップ"COPIM（Community-led Open Publication Infrastructures for Monographs）"の取り組み、参加機関、同パートナーシップの活動を構成する7つのWP（ワークパッケージ）、およびいくつかのWPの内容を紹介。 7つのWPのうち、WP4が6つの小規模OA出版社を対象として実施した、経営やガバナンスの現状に関する調査やインタビュー結果をまとめた "Governing Scholar-Led OA Book Publishers: Values, Practices, Ba

Frontiers社は、8月24日、UC（University of California）とコンソーシアムパートナーシップを締結したと発表した。契約期間は1年。 本パートナーシップでは、同社と同大学間が事前に合意した年間定額料金で、同社の20ジャーナルで無制限に論文を出版できる新たな出版モデルを試験的に導入。 これにより、LBNL（Lawrence Berkeley National Laboratory）を含むUCの10キャンパスに所属する著者は、同ジャーナルにAPC（論文掲載料）なしで無制限に論文を出版できる。 本契約は、同社にとって北米で初のコンソーシアムパートナーシップだという。 ［ニュースソース］ Frontiers pilots 'flat fee' publishing partnership with the University of California － Fron

IOP （Institute of Physics）Publishingは、8月21日、米国のUT System（University of Texas System、テキサス大学システム）※とTA（Transformative Agreement、転換契約または移行契約）を締結したと発表した。 これにより、同システムに所属する研究者は、IOP Publishingやほとんどの提携ジャーナルにOA（オープンアクセス）で無制限に論文を出版できる。 IOP Publishingは、本契約が同システムの研究者の論文の可視性向上に役立つとコメント。研究をOAで出版する利点を実証するものとして、OAコンテンツはペイウォールコンテンツよりもダウンロード数が80％、引用数が30％多いとするIOP Publishingのユーザーデータを紹介している。 ※テキサス州の大学および医療機関からなる公立大学システ

OA Switchboardは、8月21日、OA（オープンアクセス）ブック専用のソリューション開発に向けたプロジェクトを開始したと発表した。 本ソリューションは、ワークフローの強化やOAブック出版物の可視性の向上、OAと出版エコシステムとの統合の促進を目的としている。 本プロジェクトでは、OAブック出版に関する関係者間の情報共有を簡素化するためのmessage hubのプロトタイプを作成する。本プロトタイプでは、出版社が研究助成機関や研究機関に出版前の適格性照会メッセージ"BE1-message"を送信し、それに対し助成機関などが"BE2-message"を返信できるようにする。出版社から研究助成機関や研究機関に出版通知メッセージ" BP1-messageを送信することも可能になる。 本プロトタイプは、助成機関・研究機関・出版社が参加できるパイロットを通じてテストされる。本パイロットは少な

cOAlition S、TA対象のハイブリッドジャーナルの分析ツール"HOAD"の機能や分析結果などを紹介（記事紹介） cOAlition Sは、8月17日、"Introducing the Hybrid Open Access Dashboard (HOAD)"と題する記事を公開した。 本記事は、TA対象のハイブリッドジャーナルの分析ツールHOAD（Hybrid Open Access Dashboard）の機能や、同ツールによる分析結果などについて紹介したもの。 同ツールは、400以上のTA（Transformative Agreement、転換契約または移行契約）の対象である1万2,500誌以上のハイブリッドジャーナルについて、クリエイティブ・コモンズライセンスの年別推移や、出版社別および国別のOA（オープンアクセス）状況など、さまざまな観点から図表で表示している。 DFG（Deut

GetFTR（Get Full Text Research）は、8月14日、"CACTUS uses GetFTR to provide researchers with a more personalised experience and increases full-text views by 20%"と題する記事を公開した。 これは、GetFTRを活用したケーススタディーとして、Cactus社の事例を紹介したもの。 Cactus社は、2021年に同社の論文検索ツール"R Discovery"※にGetFTRを統合した。その結果、所属研究機関をプロファイルに保存した同ツールのユーザーによる全文閲覧数が20%増を記録し、ユーザーのリテンション率が100%増加したという。 そのほか、ユーザーはOA（オープンアクセス）や所属機関の購読コンテンツなどについて、パーソナライズされたフィード機能を

ARL、米下院歳出委員会が発表した予算法案に反対する書簡をappropriations leadershipに送付したと発表 ARL（Association of Research Libraries、研究図書館協会）は、8月3日、House Appropriations Committee（米下院歳出委員会）が発表した予算法案に反対する書簡を上下両院のappropriations leadershipに送付したと発表した。 本書簡では、同法案の552項は、毎年900億ドル以上を費やしている科学研究の成果物に納税者が即時にアクセスすることを妨げるものであるとコメント。同法案から本項を削除するよう求めている。 また、即時アクセスにより、連邦政府の助成を受けた研究が科学者・コミュニティー・起業家の手に渡ることで、病気の治療・自然災害の緩和・公共の福利の改善・経済成長を加速できるなどとコメントし

NISTEP、「科学技術の中長期展望に対する評価 -デルファイ調査で取り上げた科学技術の20年後」を公表 NISTEP（National Institute of Science and Technology Policy、科学技術・学術政策研究所）は、8月17日、「科学技術の中長期展望に対する評価 -デルファイ調査※で取り上げた科学技術の20年後」（調査資料-330）を公表した。 本資料は、調査実施から20年程度が経過した第6回調査（1997年）と第7回調査（2001年）の全トピックと、前回評価（2009年実施）で未実現とされた第5回調査（1992年）のトピック、のべ 2,595 件を対象としてトピックの実現状況を評価したもの。 その結果として、トピックの約7割が実現していたこと、分野別では情報・通信分野、環境分野の実現割合が高く、保健・医療分野、宇宙分野の割合が低かったこと、調査当時に

KISTI（韓国科学技術情報研究院）は、7月5日、オープンサイエンスの国際協力に関するMoU（了解覚書）をUNESCO（United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization、国連教育科学文化機関）と締結したと発表した。 これにより、オープンサイエンス・オープンデータ・オープンコラボレーション、R＆E（研究・教育）ネットワークの強化、世界記録遺産のデジタル化・DX（デジタル・トランスフォーメーション）、世界の人々のデジタルリテラシーの増進などについて相互協力を行うという。 同院は、韓国における科学技術データを専門に扱う機関として、UNESCOとの協力関係を新たな段階に進めるために本MoUを締結したと説明。持続可能なオープンサイエンスの促進を目標とするなどとした。 ［ニュースソース］ KISTI-UNESCO 오픈 사

NASA、海洋研究におけるオープンサイエンス促進のために同局や同局のイニシアチブTOPSが支援している取り組みを紹介 NASA（National Aeronautics and Space Administration、米国航空宇宙局）は、8月17日、海洋研究におけるオープンサイエンス促進のために、同局や同局のイニシアチブTOPS（Transform to Open Science）が支援する取り組みを紹介した。 一つ目は、同局によるコンソーシアム"ECCO（Estimating the Circulation and Climate of the Ocean）"への助成。同コンソーシアムは、海面高・海面水温・地球の平均海面水位などの海洋変数のモデルを20年以上にわたって作成してきた。それらのデータやソースコードの一般公開および、オンラインレッスンなどを開催しているという。 二つ目は、TO

open access.nl、"Open Science Fund"の第2期の立ち上げおよび最初のパッケージとして助成を受ける30の研究プロジェクトを発表 open access.nl は、8月10日、"Open Science Fund"の第2期の立ち上げおよび最初のパッケージとして助成を受ける30の研究プロジェクトを発表した。 本ファンドは、オープンサイエンスに関する取り組みに対してNWO（Dutch Research Council、オランダ科学研究機構）が助成するもの。助成金は1プロジェクト当たり最大5万ユーロ。 第2期では特に、オープンサイエンスがまだ一般的でない分野において、オープンサイエンスを発展させることを目的としたプロジェクトや、大規模なグループやコミュニティーにおいてオープンサイエンスを推進するプロジェクトを対象としている。また、異なる組織や分野間、学術スタッフと支援ス

NISTEP（National Institute of Science and Technology Policy、科学技術・学術政策研究所）は、8月15日、「科学技術に関する国民意識調査 －科学技術とウェルビーイングとの関係－」を公表した。 これは、科学技術に関する国民意識を把握し、科学技術イノベーション政策の立案・推進に資する基礎データを提供するために、同研究所が2009年度から継続的に実施している調査。本2023年度（2023年6月調査）は、科学技術とウェルビーイング（一人一人の多様な幸せ）との関係を把握することを目的に、15歳から69歳までの男女6,600人にインターネット調査を実施した。 その結果として、科学技術の進歩がウェルビーイング22分野の増進につながっているか調べたところ、50％以上が「（どちらかというと）そう思う」と答えたのは健康状態と経済成長の2つであったこと、いず

Elsevier社、イラクのMinistry of Higher Education and Scientific Researchと協定を締結したと発表 Elsevier社は、8月15日、イラクのMinistry of Higher Education and Scientific Research（高等教育・科学研究省）と協定を締結したと発表した。 本協定は、同国の高等教育機関の学生・教員・研究者に学術の発展や質の高い研究出版物へのアクセスを提供するためのもの。 本協定により、同国の学生および教員はScopusを3年間利用できるようになるほか、同国の学術雑誌23誌は同社のプラットフォーム"Digital Commons"に3年間ホストされるという。 ［ニュースソース］ Elsevier Partners with The Iraq Ministry of Higher Educatio

RSC（Royal Society of Chemistry、英国化学会）は、8月10日、"Royal Society of Chemistry transformative agreements gather pace in North America"と題する記事を公開した。 これは、同会が北米でTA（Transformative Agreement、転換契約または移行契約）を拡大していることや、その要因などをまとめたもの。 2018年にMIT (Massachusetts Institute of Technology、マサチューセッツ工科大学)とTAモデルのひとつであるRead & Publish契約を締結したのを皮切りに、現在35（米国21、カナダ13、メキシコ1）まで契約数が拡大していることを紹介。契約数は2022年以降急増しており、2023年には新たに28の契約を締結したとい

Microbiology Societyは、8月8日、NTU（National Taiwan University、国立台湾大学）とTA（Transformative Agreement、転換契約または移行契約）を締結すると発表した。契約は2024年から5年。 これにより、同大学に所属する著者は、同学協会の全てのハイブリッドジャーナルおよび完全OA（オープンアクセス）ジャーナルにOAで論文を無制限に出版できる。また、1947年以降に出版された同学協会の全ジャーナルにアクセスできる。 本契約は、同学協会にとって初の台湾でのTA契約だという。 ［ニュースソース］ TRANSFORMATIVE AGREEMENT SIGNED BETWEEN THE MICROBIOLOGY SOCIETY AND NATIONAL TAIWAN UNIVERSITY － Microbiology Societ

IOPP、TaskAdept社と提携し、Ethics Statementの作成ツール" EthicsGen"を導入すると発表 IOPP（IOP Publishing）は、8月14日、TaskAdept社と提携し、同社のEthics Statement（倫理に関する声明）作成ツール" EthicsGen"を導入すると発表した。 本ツールは、著者がジャーナルの基準に合致した正しい文言を用いたEthics Statementの作成をサポートするもの。本ステートメントにより、査読者は論文の内容を評価しやすくなり、査読のスピード向上が可能となる。また英語を母国語としない著者にとって一助となるという。 IOPPは、同ツールが著者・査読者・読者における出版プロセスの効率性を向上させ、研究の健全性・公正性の基準を提供するというIOPPのコミットメントをサポートすると述べている。 同ツールは無料で利用可能だ

ORCIDは、7月31日、CSP（Certified Service Provider）プログラムの認定基準を改定したと発表した。 同プログラムは、ORCIDを統合しているSP(Service Provider)に対して、ORCIDのベストプラクティスに基づいた基準への適合を認定するもの。 ORCIDは、ベストプラクティスについて実施した広範な分析に基づき認定基準を改定するとしており、3月に「研究情報システム」「原稿投稿システム」「助成金・機関の登録」「リポジトリシステムワークフロー」の各ワークフローにおける認定基準の改定版の草案を発表していた。同案に対して募集したパブリックコメントに基づき、改定版を最終決定した。 またORCIDは、改定版の認定基準をできるだけ早くステークホルダーに導入してもらうために、Aries Systems社やElsevier社など14機関と試験導入に関する提携を結

Cambridge University Press & Assessment、学習者が1億人を突破したと発表 Cambridge University Press & Assessmentは、8月3日、学習者が1億人を突破したと発表した。 同組織は、170カ国以上に書籍・学習教材・評価・カリキュラム開発・教育改革などを提供。2026年までに学習者を1億人にするという目標を早く達成できたとコメントしている。 また、Cambridge Universityは 2025年までに研究論文の大部分をOA（オープンアクセス）にする計画を着実に進めている。OAに関する取り組みの成果として、2022年に出版されたCambridge University Pressのジャーナル論文の50％以上がOA出版されたこと、100を超える低中所得国の研究者に対してOA出版料金を免除していることなどを述べている。 ［

arXivは、8月2日、新たなガバナンスモデルを決定したと発表した。 ガバナンス再編の一環として、"Member Advisory Board" "Scientific Advisory Board" が廃止され、新たに"EAC（Editorial Advisory Council）" "IAC（Institutions Advisory Council）" "SAC（Science Advisory Council）"が設置された。同再編を反映した新たな内規がすでに7月1日に発効されている。 主な変更点として、Scientific Advisory BoardをSACとEACに分割。SACは長期的な方針と戦略、EACはコンテンツのモデレーションに特化した方針・プロセスを担当するという。 本変更は、arXivの運営効率の向上・役割と責任の明確化などが目的という。 ［ニュースソース］ Int

Research4Life、Research4Lifeパートナーが2030年までのパートナーシップ延長に合意したと発表 Research4Lifeは、7月26日、Research4Lifeパートナーが2030年までのパートナーシップ延長に合意したと発表した。 Research4Lifeは現在、125の低所得国･地域の1万1,000以上の機関に、査読付きオンライン出版物への無料または低価格でのアクセスを提供している。 Research4Lifeは、2030年に向けた新たなコミットメントとして、官民機関とのパートナーシップを通じて、約200の学術出版社による20万以上の査読付き学術雑誌・書籍・データベースを、今後も低・中所得国の研究コミュニティーに提供すると述べた。 ［ニュースソース］ Research4life partners commit to free and low-cost acc

アイルランドのコンソーシアムIReL、Education Procurement Servicesと共同で実施した公開入札の結果OpenAIREが受注したことを発表 アイルランドのコンソーシアムIReLは、7月26日、Education Procurement Services※1と共同で実施した公開入札の結果、OpenAIREが受注したことを発表した。 本入札は、同国における100％OA（オープンアクセス）に向けた進捗状況を分析・追跡するためのNational Open Access Monitorの開発を行う事業者を募集するもの。 2022年、NORF（National Open Research Forum）※2がオープンリサーチに関する同国のアクション計画"National Action Plan for Open Research 2022-2030"の優先アクションを実施する6

DOAJは、7月26日、MCLS（Midwest Collaborative for Library Services）※とパートナーシップを締結したと発表した。 これにより、ミシガン州とインディアナ州の多くの高等教育機関がDOAJをサポートできるようになる。 MCLSは、OA（オープンアクセス）を推進するDOAJの活動を支援する機会を会員に提供できることをうれしく思うとコメント。本パートナーシップにより、MCLS 加盟図書館がOA全体だけでなく、個々の図書館利用者のオープンリソースの発見・利用に貢献できると述べている。 ※インディアナ州とミシガン州の図書館のリソースの共有や他の組織との協力の促進を目的とした同州の図書館からなる非営利の会員制組織。 ［ニュースソース］ MCLS joins the growing number of US consortia enabling suppor

Frontiers社、米国の超党派議員が提出したAIに関する法案"CREATE AI Act"を歓迎すると発表 Frontiers社は、8月9日、米国の超党派議員が提出したAI（Artificial Intelligence、人工知能）に関する法案"CREATE AI Act (Creating Resources for Every American To Experiment with Artificial Intelligence Act)"を歓迎すると発表した。 同法案は、多様な背景を持つ研究者・大学・新興企業・学生が、安全で信頼できるAIを開発するために必要なコンピューティング能力・リソース・データ・ツールにアクセスするための新たな国家インフラを提案するもの。 同社は、これらのリソースへのOA（オープンアクセス）の原則と、最先端技術の研究を同国の知力に展開するという同法案の野心が