「異次元の少子化対策」「新しい資本主義」など、独自の政策を矢継ぎ早に打ち出した岸田文雄首相の支持率が上昇し始めている。 だが、強いメッセージ性やカリスマ性のない岸田首相には「何を考えているのかわかりにくい」「やりたいことがよく伝わってこない」といった批判もある。 そこで岸田首相の「頭の中」を覗いてみようと、脳波を測定するプロジェクトを「文藝春秋」編集部が企画した。 岸田首相が語り合うのは、伊藤忠商事の岡藤正広会長CEOと脳科学者の中野信子氏。 伊藤忠商事は独自の少子化対策と働き方改革で、社内の出生率を3倍に引き上げた。その成功の秘訣や、日本を“稼げる国家”にするための構想をざっくばらんに話しながら、中野氏が脳波を測定・分析するという、まさに前代未聞のプロジェクトである。 はたしてその結果やいかに――? 「110運動」で出生率を3倍に 伊藤忠商事の出生率は、2012年度に0.60だったのが、