確定記述については前回で説明させていただきました。確定記述の意味はわかりますが、なぜ、そんなことを考える必要があるのでしょうか。 それは哲学はあくまで論理を基に考えていくものだからです。そこで哲学的言明もできるかぎり論理的に組み立てていこうとするなら、もっとも簡潔な方法の候補として論理学が挙げられます。この論理学にあてはまるように哲学の記述をしていけば、厳密な論理としての哲学が築けるのではないかと考えることがはひとつの妥当な案といえるでしょう。 本当にそうなのかは、今は問わないとしてこの方向で徹底的に考え抜いた人にラッセルがいます。このラッセルという人は、100歳近くまで生きた、長生きな天才です。ラッセルは1874年生まれですから、ニーチェがまだ哲学者として発言していたときには、すでに生まれていたことになります。そして、1970年代まで生きていました。長生きしていると、本当に哲学の生き証人