心の暗がりをそっと照らしてくれる、お月様のようなあたたかい光りを感じる物語でした。 幻想的で儚げな雰囲気の中心に、ひどく現実的な息苦しさがあります。その苦しさに覚えがある私は、どうか主人公が救われますようにと、祈りをこめて読み進めました。 淡々と綴られる主人公の心の内は、共感できる部分が多くて胸がチリチリするものの、不思議と暗い気分や嫌な気持ちにはなりませんでした。この切なくも穏やかな世界観が、優しくてとても素敵なのです。 私はこれまで“カタルシス”というものをはっきりと感じたことがなかったのですが、この物語を読み終えて、あぁカタルシスとはこのことだったのか……!としみじみ体感すること…続きを読む
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