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ブックマーク / econ101.jp (12)

  • サイモン・レン=ルイス「パンデミックの経済的影響」(2020年3月2日)

    [Simon Wren-Lewis, “The economic effects of a pandemic,” Mainly Macro, March 2, 2020] 10年少し前,医療の専門家たちから連絡をもらった.なんらかのインフルエンザ・パンデミックが発生した場合の経済的な影響を知りたいのだという.彼らが必要としていたのは,一般均衡での影響を見るためのマクロ経済モデルだった.1990年代に,私は小さなチームを率いて,COMPACT というモデルを構築していた.連絡をくれた専門家たちと私で論文を1書き,のちに Health Economics に掲載された.論文では,それまでになされていた他の研究も参照している. 目下のコロナウイルス感染拡大は,私たちが研究したパンデミックとは特徴が異なっているだろうし,そもそもパンデミックにならないならそれにこしたことはない.(死亡率で見ると,

    サイモン・レン=ルイス「パンデミックの経済的影響」(2020年3月2日)
  • フェイクニュースとファクトチェック: 事実を正せば意見も正せるか (2017年11月2日)

    From VoxEU, “Fake news and fact checking: Getting the facts straight may not be enough to change minds” Oscar Barrera, Sergei Guriev, Emeric Henry, Ekaterina Zhuravskaya (02 November 2017) 「フェイクニュース」は今や欧米の政治を語る上で欠かせない要素となった.このコラムでは,2017年の仏大統領選挙期間中に実施された実験を題材に「代替的事実(オルタナティブファクト)」が高い説得力を持つことを示す.ミスリーディングな数値データに基づく物語に触れた有権者たちはポピュリストの主張する方向に意見を変え,ファクトチェッキングはこの効果を打ち消す役に立たない.それどころか,デリケートな論点(たとえば欧州の難民危機)に

    フェイクニュースとファクトチェック: 事実を正せば意見も正せるか (2017年11月2日)
  • アレックス・タバロック「移動しなくなったアメリカ人と土地利用制限」

    [Alex Tabarrok, “Declining Mobility and Restrictions on Land Use,” Marginal Revolution, April 8, 2016] 〔人々がどれくらい移住・移転しやすいかという〕移動性は,アメリカで1980年代からゆっくりと下がってきている.なぜだろう? ひとつ考えられるのは,人口動態の変化だ.たとえば,若い人たちに比べて,年配の人たちはあまり移動しない見込みが大きい.そのため,熟年者人口が大きくなったことで移動性の低下が説明されるかもしれない.だが,移動性はあらゆる年齢層で下がってきている.たとえば,1980年には 25-44歳の 3.6% が過去1年に移動しているが,2000年代では同じ年齢集団の 2.2% しか移動していない. (グラフは Molloy, Smith, Trezzi and Wozniak (p

    アレックス・タバロック「移動しなくなったアメリカ人と土地利用制限」
  • タイラー・コーエン「テレパスっぽくなる方法」

    [Tyler Cowen, “How to seem telepathic,” Marginal Revolution, January 20, 2016.] もしかしたら,これはブログを1年通して読んでえられるいちばん有益なことの1つかもしれない.Maria Konnikova の新著 Confidence Game(『瞞し瞞され:詐欺の心理,毎度まんまと引っかかる理由』)の一節から: 2010年に,ベン=グリオン大学のニコラス・エプリーとタル・エヤルが一連の実験結果を公表した.実験の目的は,対人・知覚知覚スキルを改善することだ.論文の題名は:「テレパスらしく振る舞う方法」(How to Seem Telepathic).エプリーとエヤルの発見によれば,私たちがみずからを分析する方法と他人を分析する方法に基的なくいちがいがあることから,我々がおかす錯誤の多くが生じているという.自己分

    タイラー・コーエン「テレパスっぽくなる方法」
  • アレックス・タバロック/タイラー・コーエン「ノーベル経済学賞はアンガス・ディートンが受賞」

    Alex Tabarrok “Angus Deaton wins the Nobel“(Marginal Revolution, October 12, 2015) プリンストン大学のアンガス・ディートンがノーベル賞を受賞した。世銀と協力しつつ、ディートンは途上国に関するデータを拡大するのに非常に大きな役割を果たしてきた。読者諸兄が世界の貧困が史上初めて10%を下回ったという記述を目にして、それをどうやって把握したのかをということを知りたいのであれば、その答えはディートンによる家計調査、データ収集、厚生の計測だ。ディートンの主要な貢献は、世界の貧困についての理解と計測だと私は考えている。 厚生の計測は言うは易し行うに難しだ。2つの異なる国の生活水準はどのように比べれば良いだろうか。所得を単に為替レートで換算してみたとしよう。残念だが、これはうまくいかない。全ての財が貿易されるわけではないか

    アレックス・タバロック/タイラー・コーエン「ノーベル経済学賞はアンガス・ディートンが受賞」
  • クルーグマンコラム配信停止のお知らせ

    突然ですが、ご好評いただいているポール・クルーグマンのコラムですが、今月12月いっぱいをもって配信を停止します。 これまでの15ヶ月間、クルーグマンコラムは多くの人に読まれてきました。クルーグマンの知名度もさることながら、現在の日のメディアになかなか見られないリベラルな視点からの経済分析が多くの読者を獲得できた一番大きな理由だと思います。毎月概ね7万ビューある当サイトですが、その半分はクルーグマンのコラムがたたき出している数字です。 にもかかわらず配信を停止するに至ったのはニューヨーク・タイムズ紙からの配信料金の値上げ、円安なども負担増加の要因ですが、皆様からの寄付を主な財源として運営していくには充分な資金が持続的に確保できなかったことが最大の理由です。 現在のところ、大変ありがたいことに毎月980円の支援をいただけるCloud Paymentに登録いただいている方は約30名ほどおられま

    クルーグマンコラム配信停止のお知らせ
    minesweeper96
    minesweeper96 2014/12/16
    ううう
  • ポール・クルーグマン「崩壊を待ちながら」

    Paul Krugman, “Still Waiting for the Collapse,” Krugman & Co., November 20, 2014. [“Rage of the Traders,” The Concience of a Liberal, November 13, 2014.] 崩壊を待ちながら by ポール・クルーグマン World Economic Forum/The New York Times Syndicate ぼくもバカな経済論にはずいぶんと慣れてるけど,それでもたまに,経済の卓見として出回ってる説の馬鹿さ加減がぼくの予想すら上回ってくれることがある. 政府統計にデッチアゲがあると確信してる「インフレの真実」論者の億万長者ポール・シンガーが,「イースト・ハンプトンの不動産をごらんなさい,ハイパーインフレーションが起きているではありませんか」なんてこと

    ポール・クルーグマン「崩壊を待ちながら」
  • ポール・クルーグマン「ヨーロッパではダメな意志決定でぞっとする結果が生じてる」

    Paul Krugman, “Bad Decisions Yield Grim Results in Europe,” Krugman & Co., August 22, 2014. [“What’s the Matter With Europe?,” The Conscience of a Liberal, August 13, 2014.] ヨーロッパではダメな意志決定でぞっとする結果が生じてる by ポール・クルーグマン KAL/The New York Times Syndicate ほんの数ヶ月前,ヨーロッパの緊縮派はせっせと自画自賛にはげんでいた.南欧でほどほどに経済が上向いたのを見て,これこそ自分たちの対応の正しさを裏打ちするものだと宣言していた.ところが,いまやニュースで伝えられる状況はゾッとするほど雲行きがわるい.鉱工業生産は急落を見せ,またしても景気後退にずり落ちるのを

    ポール・クルーグマン「ヨーロッパではダメな意志決定でぞっとする結果が生じてる」
  • フランシス・ウーリー「計量経済学初心者が間違ったことに一生懸命になるのはなぜなのか」

    Frances Woolley “Why do beginner econometricians get worked up about the wrong things?” (Worthwhile Canadian Initiative, March 23, 2014) (訳者補足:エントリは計量経済学を学んだことがある方向けですので、あらかじめご承知おきください。) 初めて回帰分析にかけてみるとき、初歩的な間違いをする人が多い。配偶者の労働時間のような、サンプルの半分以上に欠けている変数を含めることで、うかつにも大量のオブザベーションを弾いてしまったりする。また、そうすることに何の意味もないときでさえ、全てのオブザベーションをデータセットに入れたりする。例えば、運転中に携帯電話で通話する人を予測するための回帰分析に、運転可能年齢未満の個人を含めてしまったりといった具合だ。また、子供の

    フランシス・ウーリー「計量経済学初心者が間違ったことに一生懸命になるのはなぜなのか」
  • ポール・クルーグマン「アメリカの保守主義を再定義する」

    Paul Krugman, “Redefining Conservatism in the U.S.” & “Market Domination,” Krugman & Co., March 14, 2014. [“Nation of CRINOs,” The Conscience of a Liberal, March 7, 2014; “Silicon Oligopsony,” The Conscience of a Liberal, March 1, 2014] アメリカの保守主義を再定義する by ポール・クルーグマン Drew Angerer/The New York Times Syndicate ぼくらがほんとに必要としてる名称はこれだ:「名ばかりの中道右派」 『ワシントンポスト』の政治科学ブログ『モンキー・ケイジ』(おすすめ)のジョン・サイズが,この前,よく繰り返されている

    ポール・クルーグマン「アメリカの保守主義を再定義する」
  • ポール・クルーグマン「ビットコインが提起する現実世界の問題」

    Paul Krugman, “A Virtual Currency Raises Real-World Questions,” Krugman & Co., January 9, 2014. ビットコインが提起する現実世界の問題 by ポール・クルーグマン Nancy Palmieri/The New York Times Syndicate 実証経済学(実際の物事の仕組み)と規範経済学(物事のあるべき姿)の区別は,いつだって大事で,いつだって難しい. 実際,これまでぼくが書いてきたマクロ経済のいろんな問題では,すごく大勢の経済学者たちが,その区別をしっかりできないでいる.彼らは政治的な理由からでしゃばりな政府を嫌っていて,そこから,財政刺激がうまくいかない理由だとか,金融刺激が破滅的な結果をもたらすだろうといったことについて,ほんとにひどい論証を展開するにいたっている. でも,ここではマ

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  • タイラー・コーエン 「スイスでベーシックインカム導入?」(2013年10月5日)

    ●Tyler Cowen, “Will the Swiss vote in a guaranteed annual income?”(Marginal Revolution, October 5, 2013)/【訳者による追記】ちなみに、ベーシックインカムの導入の可否をめぐる国民投票は2016年6月5日に実施され、反対多数で否決されている。 すべての成人を対象としたベーシックインカムの導入の可否をめぐり、スイスで国民投票(レファレンダム)が実施される運びとなった。金融危機以降の所得格差の拡大に抗う積極主義(activism)がスイス国民の間でさらにその勢いを増していることを示す証拠の一つと言えよう。 スイスに在住するすべての成人に対して、政府が無条件で毎月2500フラン(2800ドル) [1] 訳注;現在の為替レートで換算すると、日円ではおよそ27万円 を支給する、というのが今回の提案の

    タイラー・コーエン 「スイスでベーシックインカム導入?」(2013年10月5日)
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