農林中央金庫が所在する「Otemachi Oneタワー」(「Wikipedia」より/VVVN) 農林中央金庫は22日、2025年3月期は5000億円超の最終赤字になる見通しだと発表した。保有債券の収益悪化が主な原因だが、同社の運用資産の構成では債券が5割を超える一方、株式はわずか3%となっており、SNS上では「素人以下」「運用が下手?」「近年の相場で損するって素人でも難しい」などと疑問を投げかける声も寄せられている。農林中金の運用方法に問題があったといえるのか。また、なぜ巨額の損失を抱えることになったのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。 預金残高ベースで、ゆうちょ銀行、メガバンクに次ぐ規模を誇る農林中金。その事業形態は他の銀行と大きく異なり、その特殊性はJAグループの構造に由来する。 JAとは農業協同組合、いわゆる農協の呼称であり、組合員である農家向けに農業技術の指導をしたり、農業生