今夏に行われた北京五輪を前に、中国当局が北京市周辺のレストランに対し「多くの国で犬を食べる習慣がない」ことなどを理由に「犬肉」の購入や客への提供を禁止する通知を出し、話題となった。「中国は国際社会の常識に一歩近づいた」と積極的に評価する欧米人は少なくなかった。 あれから4カ月。オリンピックの余韻が消えるとともに、犬肉は完全に北京市民の食卓に戻った。冬場は犬肉を食べるシーズンといわれており、「狗肉」と書かれた貴州、雲南料理などの看板が目につくようになった。 北京から東へ約50キロにある三河市は犬肉の集散地として知られる。五輪期間中に犬肉業者は一掃されたが、いまはすっかり元に戻っている。川岸にプレハブ住宅がずらりと並び、一軒ごとに数匹の犬がつながれている。レストランの買い出し係などが品定めをし、「商品」を決めると、業者は犬を裏に連れて行き撲殺する。 最近の景気低迷で、北京市内でもペットシ