トップページ > B.J.インタビュー > vol.6 小市民、とはいいつつ強烈な自意識をもった高校生のカップル。この先、いったいどうなるのだろう。【米澤穂信】 小市民、とはいいつつ強烈な自意識をもった高校生のカップル。 この先、いったいどうなるのだろう。古典部員たちの恋の行方も気になるぞ。 【米澤穂信】 ―― (以下、杉江松恋)いやあ、『秋期限定栗きんとん事件』、非常に「腹黒い」小説でとてもおもしろかったです! 米澤 ありがとうございます。……そんなに腹黒かったですか? ―― ええ。現時点における腹黒小説の代表格は、一般には湊かなえさんの『告白』(双葉社)だと思うんです。でも、湊さんの小説というのは、私にとってはカタルシスのある、爽快な小説なんですよ。謎解きのピースがぱちっとはめ込まれる時の感じがね、とても気持ちいい。ところが、米澤さんの『秋期限定』は、「こういう話なのかな」と思って読ん