エゴの花 降り続いた雨が 夕方に霧雨に変わった。 山も 林も 草はらも 道路も ぐっしょりと濡れて 濡れそぼつとは こんな事を言うのだろう。 小屋のそばに 縁のかけた白の鉢を置いてある。 鉢いっぱいに溜まった雨水に 土が薄く溜まっている。 私は 鉢の水を捨て 手のひらで洗い 澄んだ雨の溜まり水を 注いだ。 大きくなった姿のいいエゴの木から ハラハラと落ちてきた 白い小さな花を拾い 白の鉢に 一つ二つと放った。 鉢の水に映る空は灰色で 浮かぶ白い花達は 赤い蕊を上に向け 霧のように降る雨で 小さな水面が微かに揺れている。