「給料をどこまで底上げできるか?」ーーデフレからの完全脱却、目前に控えた消費税率引き上げ、“戦後最長”の景気回復の実感など、さまざまな角度から真価が問われた、ことしの「春闘」。集中回答日に示された大手企業の妥結内容から見えてきたものとは? (経済部記者 篠崎夏樹) この5年は政府が強く賃上げを求め「官製春闘」とも呼ばれましたが、ことしは経団連が「賃上げはあくまで労使の話し合いで決めるという原則に立ち戻る」という立場で、数値目標は示さずいわば“脱官製”春闘としてどれだけ賃金の底上げができるかが最大の焦点となっていました。 その結果ですが、相場をリードするはずの大手メーカーで、去年実績を下回る状況が相次ぎました。 社員のやる気を引き出すため、日産自動車やマツダでは組合からの要求どおりの「満額回答」となりました。また、深刻な人手不足への対応として、去年の3倍のベースアップ(ベア=月額の基本給の一