2016.04.27更新 BECKの「MUTATIONS」というアルバムのジャケットをレファレンスとして美容室に持って行き、ゆるふわのパーマに失敗してから、俺の脳みそは凍ったままだ。この人と同じ髪型にしてくださいという要望はシャンプー台の排水溝からパーマ液と共に下水管へ洗い流されたが、「顔まで似てますね」という美容師の虚言に脳が溶解して、超ポジティブに、すべてがどうでも良くなってしまった。そして、それなりに高額なパーマ代を払い終え、溶解した脳をチャポチャポいわせながら通りに出て、これで俺もBECKじゃ、むきゃきゃ、とひとりごちながら、外気の冷たさで脳が凍ってしまったのだった。二十歳になったばかりだった。 そんな俺も今年で四十歳になる。 三十歳を過ぎてから、バンドとの関係もなんらかのなんらかをある程度は達成したように感じていた。四人でのセッションは連日のように白熱し、メジャーデビュー後のスト