廃棄ペットボトルの分別作業などを担当した知的障害者らに対し、福祉事業所が支払う工賃は「役務の提供(労働)の対価」か「単なる給付」か。その判断を問う裁判が名古屋地裁で行われている。作業が「労働」と認められれば、事業所が国に納める消費税が減り、その分、工賃の増額につながる可能性がある。障害者の就労に関し、税法上の扱いを争う訴訟は全国初とみられ、識者も注目している。(薦田大和) 障害者らの手作業によって行われているペットボトルの分別作業(名古屋市南区で) 訴えを起こしたのは、名古屋市で就労継続支援B型事業所などを運営する社会福祉法人「ゆたか福祉会」。消費税法では、事業者が業務を委託したり、人材派遣を受けたりした場合、その相手に支払った対価(労働の対価)は税控除の対象になると定めている。同会は、障害者の作業内容に応じて支払っている工賃がこれに該当すると主張し、2013~17年に納めた計約4960万