献血にウイルスや細菌が混入していたのが原因で、輸血を受けた人が死亡するケースが昨年2件起きた。輸血による感染は毎年10件前後起きており、近年は「ジビエ」と呼ばれる野生動物を食べるブームが新たなリスクになっている。血液事業を担う日本赤十字社(日赤)は、献血のウイルス検査や問診などの対策を強化しているが、すり抜け防止には限界もあるという。【熊谷豪】 手術や治療で使われる血液は「輸血用血液製剤」と呼ばれ、国内100%自給の方針を取る日本では、すべて日赤が集めた献血が由来だ。同じく献血を原料とする「血漿(けっしょう)分画製剤」では、過去にウイルス汚染による薬害エイズや薬害肝炎の問題が起きている。