生活困窮者に無担保で少額を融資する「グラミン銀行」の日本版が今秋、国内で初めて設立される。バングラデシュの農村部で始まった取り組みだが、近年は経済格差が問題となる米国でも広がっている。一般社団法人「グラミン日本準備機構」(東京都中央区)の理事長を務める明治学院大大学院の菅正広教授(61)は「働く意欲があっても生活が苦しい人々に、起業や就労の機会を提供したい」と話している。【川上珠実】 グラミン銀行は、借り手が5人1組の互助グループを作って順番に融資を受け、返済率は9割を超える。バングラデシュの農村部の貧しい女性らが資金をもとに家畜の飼育や行商などの小規模事業を始め、貧困から抜け出す助けとなった。グラミンは現地の公用語ベンガル語で「村」を意味する。