現在、預金残高は10万円ほど。おカネがなくなったからといって、生活保護制度が使えるかわからない。育ち盛りの子ども2人を抱え、混乱する彼女の表情は青ざめていた。 「その訪問介護は2カ月で辞めました。何もかもが異常でした。雇用契約書を5回も6回も書かされたり、契約書の金額と給与が違ったり、メチャクチャ。あと事業所のパソコンは個人情報があるので、絶対にエロサイトとか見ちゃダメじゃないですか。女の管理者とその内縁の夫で運営していて、男のほうが1日中エロサイト見ている。私が“やめたほうがいい”って何度言ってもダメ。書類も請求もヘルパーも私ひとりでやらされて、とても続けられないと思った」 実態のない勤務表などを作らされた 2000年4月に介護保険制度が始まり、公的機関が担っていた介護が民間に委譲された。特に訪問介護、通所介護の在宅分野の認可基準は極めて低く、介護とはまったく関係ない零細事業者の参入が激